【大学入試】英語民間試験「一律に義務付ける考えはない」 文科相

大学入学共通テストへの導入が困難とされた英語4技能試験と記述式問題について、大学入学者選抜での扱いを各大学の判断に委ねる考えを示した「大学入試のあり方に関する検討会議」の提言を受け、萩生田光一文科相は7月13日の閣議後会見で、「全ての大学に同じように、民間英語試験を使いなさいとか、そういうことを誘導するつもりは全くない。一律に義務付けるようなことを考えているわけではない」と述べ、各大学の個別対応を求める考えを強調した。また、先導的な取り組みを行う大学を対象とした、インセンティブの付与については「新たなメニューを作って、補助金を出すイメージではない」と述べ、既存の国立大学運営費交付金や私学助成の枠内で対応していくとの見通しを示した。

大学入試改革について説明する萩生田文科相

大学入試検討会議が7月8日にまとめた提言では、英語4技能試験については「多くの大学・学部にとっては、資格・検定試験の活用が現実的な選択肢」と、英語民間試験の有用性を指摘。国が主導して資格・検定試験実施団体と高大関係者等による協議体を設置し、低所得層への検定料の減免やオンライン受検システムの整備、高校会場の拡充などに取り組むことを求めた。記述式問題では、出題に課題のある私立大学を念頭に国が促進策を行うよう促した。

この提言を受け、萩生田文科相は9日の閣議後会見で「(大学関係者が)皆さんで決めたルールですから、『自分の学校は関係ないんだ』ということはあってはならない。これだけ丁寧な議論をして方向性を決めたからには、その方向性をしっかりかみ砕いて協力していただくことが極めて大事」と説明。この発言が各大学の個別試験で英語民間試験や記述式問題の活用を求めたものと受け止められ、一部で批判も出ていた。

この発言の真意について、13日の閣議後会見で質問を受けた萩生田文科相は「今回の検討会議はとにかくオープンで、全てネット配信もしてやってきた。あらゆる大学受験のステークホルダーが加わったと思う。そこで英語4技能や記述式問題の評価が大事だ、と皆さんが認めたのだとすれば、何らかの形で入試に盛り込むか、あるいは盛り込まないのだったら、大学在籍中の4年間でしっかりその部分を伸ばすことも大事なのではないか」と述べ、大学入学者選抜と大学教育の一体的な改革の中で、大学関係者が英語4技能や記述式問題の評価を取り込むように努力すべきだとの考えを改めて説明。

その上で、英語民間試験などの活用について「全ての大学に同じように、英語民間試験を使いなさいとか、そういうことを誘導するつもりは全くない。一つの方法として英語民間試験もあるし、あるいは各大学が独自の予備試験を行うことも可能。あるいは学校推薦型選抜(推薦入試)などでは、少し時間があるから小論文を取り入れるなど、方法はいろいろある。それを一律に全て義務付けるようなことを考えているわけではない」と各大学の個別対応を求める考えを強調し、理解を求めた。

また、提言では、記述式問題の出題や総合的な英語力の育成・評価、多様な背景を持つ学生の受け入れ、入学後の教育との連動、文理融合などの観点から、出題科目の見直し、入学時期や修業年限の多様化など「他大学の模範となる先導的な取り組み」を行う大学にインセンティブの付与を検討するよう文科省に求めた。

このインセンティブの検討状況について、萩生田文科相は「文科省が直ちに、財政的な支援も含めて、来年度のメニューを組み立てる段階ではまだない。どういう支援の仕方があるのか、何をもって改革意欲を評価するのかを含め、慎重な対応をしていきたい。方法論について、これからさまざまな議論をしていきたい」と説明。

さらに「優れた取り組みを幅広く普及させていくためには、国立大学運営費交付金とか、私学助成などの基盤的経費を活用する手法が望ましいという意見が検討会議では大勢だった。新たなメニューを作って、補助金を出すイメージではない」と述べ、現時点で新たな補助金を検討する考えがないことを表明した。

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