中高生主体の校則見直し ルールメイキング実証校が意見交換

学校の校則を生徒が見直す「ルールメイカー育成プロジェクト」に取り組んでいる認定NPO法人カタリバは7月11日、今年度に同プロジェクトに参加した中学校や高校の生徒が一堂に会するオンラインシンポジウムを開いた。各校が今、どのように生徒が主体となって校則の見直しを進めているのかを共有しながら、校則だけでなくどんな学校にしていきたいのかや、教員や地域などとどのように対話を重ねていくべきかなどについて意見交換した。

経産省の「未来の教室実証事業」の一つとなっている同プロジェクトは、昨年度に3校で先行的にスタートし、本格実施を迎えた今年度は、全国10校の中学校や高校が実証事業校となっている。

校則見直しに向けた構想について話し合う実証事業校の生徒ら(Zoomで取材)

昨年度に校則検討委員会を立ち上げ、靴下や髪型に関する校則を変えた岩手県立大槌高校では、校則を変える前に、生徒自身が目指すべき生徒像を描いた「生徒宣言」を策定。その上で、禁止されていた「ツーブロック」の髪形の問題を巡っては、生徒と教員だけでなく、保護者や地域の企業などにもアンケートやヒアリングを実施。卒業生が就職している地元企業では「ツーブロック」はむしろ清潔感のある髪形とされていることを踏まえ、学校でもツーブロックが認められることになった。

報告を行った生徒は「ルールを緩くした結果、守らなくなってしまった生徒もいる。そこは話し合う必要があると思っている。校則検討委員会を通して、今後は校則を変えたことで起きた問題や課題を話し合い、この取り組みを全国に広げていきたい」と今後に向けた課題を挙げた。

今年度に実証事業校となった千葉県立姉崎高校では、他校よりも校則が厳しく、アンケートでは校則を変えるべきだと考えている生徒が多くいる一方で、校則を変える必要性を特に感じていない生徒や、校則改正に反対する教員がいる現状を踏まえ、いかに対話の場をつくるかが重要になると強調。発表した生徒は「生徒の意見を取り入れて、生徒も先生も、誰もが過ごしやすくて来たくなる学校にしたい。社会の多様性を学校にも反映して、学校を良くしていく」と話した。

同じ実証事業校の一つである大阪府大東市にある私立の四条畷学園中学校は、昨年度に校則のアンケートを取ったものの、うまく見直しにつながらなかった。そこで、今年度は生徒会と有志の生徒で、見直しが提案されている校則の試行期間を設けたり、既存の校則の存在理由を明確にしたりすることを提案した。

発表を聞いていた経産省の浅野大介サービス政策課長・教育産業室長は「なぜそのルールはあるのかを聞いていくと、誰かが良かれと思って続いていることが多い。それが明らかになれば『その目的を達成するためならば、今は別の方法がいいのではないか』といった議論も成り立つ。そうすると、以前にそのルールをつくった先生も傷つかない。ルールを変えたいと思ったら、誰かを傷つけてはうまくいかない。ルールをつくった人の思いを知って、説得していくことが重要だ」とアドバイスした。

同プロジェクトでは現在、学校内のコーディネーターが、カタリバのサポートを受けながら校則見直しのプロジェクトを展開していく形の「アソシエイト校」の募集も行っている。

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