【GIGA到来】 県内共通ドメインで12年間の学びを保存

今年度のGIGAスクール本格始動に合わせ、鹿児島県は、端末使用の前提となるクラウドを効果的に活用するため、教員や児童生徒1人1人が持つアカウントに、県内の公立学校で共通のドメイン「@kago.ed.jp」を導入した。県内の公立学校なら小中高の12年間にわたり、学習成果を保存することができ、転校や進学、異動があってもスムーズにアカウントを利用し続けられる。各市町村が独自に教育用ドメインを取得するケースも多い中、県内の共通ドメインを導入した同県の担当者に狙いを聞いた。

26の離島を抱え、南北600キロメートルに広がる鹿児島県。進学や転校、異動で子供や教員が広大な県内を移動することも少なくないという。各市町村がGIGAスクール構想で導入した端末はクロームブック、ウィンドウズ、iPadとさまざまで、それぞれが独自にアカウントを作成すると、転校などの場合に改めてアカウントの作成が必要となる上、それまでの学習履歴が見られなくなる懸念があった。

そうした不便をなくし、「自分のアカウントは学習に継続して使えるものだと理解し、特別感、親近感を持ってほしかった」と、同県教育庁で指導主事を務める中村太一さんは話す。そのため、一足早く全市町村で共通ドメインを導入していた奈良県の事例なども参考に、昨年夏ごろから、県内の公立学校で使える共通ドメインの検討に入った。

昨年秋、県立高校で2~3年ほど前から使用していたドメインを、市町村でも共通に使用できるようにしたところ、全市町村が参加を決めたという。共通ドメインでは、マイクロソフトの「Office365 for Education」、グーグルの「Google Workspace for Education」のいずれにも使うことができ、市町村では教育上の目的に応じてツールを選択することが可能になっている。

児童生徒や教員個人のアカウントは、県の総合教育センターで命名ルールを作成し、それに基づき各市町村で発行・活用を進めている。これにより、県内の公立学校に在籍している間は、学習の成果物を保存・編集・活用することができるほか、端末が変わっても自身のファイルなどにアクセスできる環境が整いつつある。

鹿児島県では現在、「○○やってみた」を合言葉にして、GIGAスクール端末の活用を進めている。「苦手な先生、二の足を踏んでいる先生もいるが、研修会などで『触ってみたら、意外とできた』という経験をすることも多い。そうしたところから、恐れずに活用の幅を広げていってほしい」と中村さんは期待する。

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