【デジタル教科書】初期手順は秋までに統一を 文科省WG

2024年度から本格導入が見込まれているデジタル教科書について、学校現場で円滑に導入するための技術的な課題について検討する文科省のワーキンググループ(主査・東原義訓信州大学名誉教授)の初会合が7月15日、開かれた。会議では、デジタル教科書の使用開始時の負担を減らすため、発行者によって異なる、必要なアカウント設定や登録など初期設定の手順について、今秋を目標に統一した仕様を定める方針を決めた。

「デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループ(WG)」は、デジタル教科書の在り方を議論している検討会議が今年5月に示した第一次報告を受けて、導入への技術的な課題を専門的に検討するために設置された。

デジタル教科書を巡っては、発行者や教科ごとに機能や操作性が異なっており、教員による管理や、児童生徒が円滑に使用するためには一定の標準化が必要と指摘されていた。このため文科省は、▽標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性▽学習年度を過ぎた後もデジタル教科書を使用できるようにする方策――などについて、WGに検討を求めた。

デジタル教科書のガイドラインについて説明する大関委員

初会合では、WGの委員の1人で、教科書会社が加盟する教科書協会情報化専門委員会委員を務める大関正隆委員が、同協会がデジタル教科書の発行に関して作成したガイドラインについて説明した。このガイドラインは、24年度以降のデジタル教科書の発行に向けて学校現場の混乱を軽減するために、各社が配慮すべき項目や条件などを定めたもので、大関委員は、例えば機能や操作性について、ページ移動や、フリーハンドでの線の書き込み、拡大縮小の機能などで各社の共通化を目指していると説明。「デジタル教科書は、導入・設定して使っていただき、さらに教材との連携や利活用と多くの段階がある。発行者としても最適な形で使っていただけるよう、どこに注力して何を優先するか、ガイドラインを改訂していきたい」と語った。

各委員からは検討の進め方について意見が出され、近藤武夫委員(東京大学先端科学技術研究センター准教授)は「特別な配慮の必要な児童生徒へのユーザビリティーという想定も含め、基本的に全ての児童生徒にとって使いやすい教科書のために必要な機能、という考え方で検討することが必要だ」と指摘した。

また、片山敏郎委員(新潟市教委学校支援課副参事)は「学校現場からすると、いかに作業を効率よくできるかが大事。4月当初から子供たちが使えるよう、できるだけ簡易な形で、特別な技術なしで使用できるよう考えてほしい」と要望を述べた。

会議では、いち早く運用を始める学校があることも踏まえて、デジタル教科書の使用開始時に必要なアカウント設定や登録など初期設定の手順について、今秋を目標に統一した仕様を示す方針を決めた。

東原座長は「子供たちや先生に1つでも多く喜んでもらえる成果を作ることが、われわれの大きな仕事だと思う。丁寧に議論してできるところから踏み出していきたい」と強調した。


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