校則見直しの基本原則を作成 西郷孝彦元校長らが議論

各地で見直しに向けた動きが加速している学校の校則の在り方についての基本原則をつくろうと、日本若者協議会は7月17日、高校生や研究者、教育関係者で構成される「校則見直しガイドライン作成検討会議」を立ち上げ、初会合を行った。検討会議では委員による意見交換を踏まえ、秋ごろをめどに学校現場で活用しやすいシンプルで具体的なガイドラインを示す方針。

高校生を含む多様なメンバーで、これからの校則の基本原則を話し合う検討会議の初会合(Youtubeで取材

同協議会では今年1月、高校の生徒会経験者による「学校内民主主義を考える検討会議」での議論を踏まえ、校則改正の手続きの明文化や学校運営への生徒参加などを求めた要望書を文科省に提出している。全国のさまざまな学校や教育委員会で現状の校則の改善が進んでいる状況や、文科省で生徒指導提要の改訂に関する協力者会議が設置されたのを受けて、同協議会でも校則を見直す上での基本原則を発信することにした。

設立された検討会議は、学校におけるリスク管理や働き方改革の観点から校則の問題に焦点を当ててきた内田良名古屋大学准教授や、校則を全廃するなどの革新的な学校改革で注目を集めた西郷孝彦東京都世田谷区立桜丘中学校元校長をはじめ、校則問題に取り組んできた高校生や教育関係者で構成される。

室橋祐貴代表理事は、校則の見直しでは、児童生徒の人権や意見表明権をいかにして守るかということを念頭に、多くの学校で活用できるように、ドイツの政治教育学者らが、政治教育の基本原則を3つの文章でまとめた「ボイテルスバッハ・コンセンサス」のような、簡易的かつ具体的なガイドラインをイメージしていると説明。文科省の協力者会議の動きも見ながら、9月までにガイドライン案を作成し、パブリックコメントやシンポジウムを開いていく考えを示した。

また、生徒による校則見直しの声を踏まえ、実際に一部の規則が見直された最近の事例を取り上げた内田准教授は「『黒のタイツを認める』といったちょっとしたことについて、長い時間をかけて議論している。もっと抜本的な改革をするためには、まずは生徒ではなく教師が、現状の校則に対して問題意識を持つ必要がある。現状の校則を一度更地の状態にして、ゼロベースで子どもたちがルールを考えていくということがあってもいい」と強調した。

これについて、西郷元校長は「各論をつついている間は変わらない。生徒会は教師の空気を読んでしまうこともあるので、僕は生徒に話し合いはさせない。判断基準は論理的に正しいかどうかだ。桜丘中では、校則がなくても学校運営はできると証明した。論理的に考えれば、校則は不要なはずだ」と話した。

また、福岡市を中心に、制服や校則の改善を積極的に働き掛けている後藤富和弁護士は、立憲主義の観点から、校則といえども、生徒の人権を不当に侵害するなどの憲法に反するルールはつくれないと説明し、教師が子どものためにと思って本人の意思を問わずに介入・干渉・支援をする「パターナリスティック」な考えが、今でも学校でまん延していると指摘した。

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