虐待受けた子どもに心のケア 社会的養護経験者らが署名

虐待から逃れた子どもたちの心のケアを――。社会的養護経験者らで構成される「施設・里親家庭で暮らす子ども・暮らしていた若者への心のケアの拡充を求めるプロジェクト」は7月19日、児童虐待の被害に遭い、児童養護施設や里親に措置された子どもや若者が、虐待による後遺症の治療や心のケアを受けられるようにすることを求める署名を、田村憲久厚労相に提出した。

署名を田村厚労相に手渡すプロジェクトメンバーら(施設・里親家庭で暮らす子ども・暮らしていた若者への心のケアの拡充を求めるプロジェクト提供)

昨年7月19日からインターネットや紙による署名活動が始まり、今年7月19日の時点で計4万7403筆が集まった。署名では、児童虐待が原因で児童養護施設や里親家庭への措置といった社会的養護に入った子どもが、虐待による後遺症に対するケアを受けられる環境整備を義務化するとともに、措置解除となった後も、必要に応じて十分な心のケアや治療を受ける機会を無償で提供することを提言している。

同プロジェクトが署名活動に合わせて、昨年7月22日~8月31日に実施したウェブアンケートによると、社会的養護経験者116人のうち、措置先でトラウマ治療やカウンセリングなどのケアを受けた経験が「ある」と回答した人は43人で、その頻度では月1回が11人、週1回が10人だった。措置先で心のケアを受けるニーズについて尋ねると▽受けたかった 39人▽受けたかったけれど受けられなかった 5人▽必要な人がいた 37人▽分からない 31人▽無回答 4人――で、7割近いニーズがあることが伺える結果が示された。

また、回答者のうち76人が、現在も虐待の後遺症として何かしらの生きづらさを感じていると答えていた。

自身も社会的養護経験者で、同プロジェクト代表を務める山本昌子さんは「児童養護施設の職員にヒアリングすると、近年は虐待による保護が増えているものの、そうした子どもたちにどう接していいか分からないといった声も聞かれる。署名をきっかけに、子どもの虐待のトラウマに対するケアなど、基本的な知識を関係者がきちんと研修で学ぶなどの取り組みも、充実していってほしい」と期待を寄せる。

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