持続可能な部活動は実現可能か 教育論なき改革を疑問視

持続可能な部活動の在り方をテーマに、3年間の共同研究に取り組んでいる長沼豊学習院大学教授らのグループは7月25日、オンラインによる公開研究会を開き、これまでの研究成果について報告した。日本部活動学会会長の神谷拓関西大学教授と、民間のスポーツ団体に部活動を外部委託する取り組みを行っている茨城県つくば市立谷田部東中学校の八重樫通校長によるシンポジウムも開かれ、教育論があいまいなままの部活動改革に疑問を投げ掛けた。

「持続可能な部活動のあり方に関する総合的な研究」をテーマに据えた長沼教授らの共同研究は、日本学術振興会による科学研究費助成事業の助成を受けて、2019年度から3年間、部活動改革の事例研究や過去の専攻研究の検討などを通じて、持続可能な部活動に求められる条件を明らかにする目的で行われている。この日の発表会では、▽技術的指導者の確保・配置▽教育課程との関連の明確化▽生徒にとっての部活動の最適化――の3つの要素が、事例調査から抽出された持続可能な部活動の条件として提示され、参加者による検討が行われた。

後半で行われたシンポジウムでは、神谷教授と八重樫校長が、それぞれの立場からこの研究に対する評価や課題について意見交換した。

神谷教授は「部活動改革は教育論とかみ合わせていくことが大切で、地域が関わることで、どのような意義があるのかを示す必要がある」と述べ、部活動が「生徒の主体性を形成するためにある」という、教育としての目的を明確にした上で、地域の人材がその価値を共有し、技術指導だけでなく、さまざまな形で関われる場にしないと、地域移行はうまくいかないと指摘した。

また、八重樫校長は「教育論なしに部活動を考えることに、矛盾を感じ始めている。どんな国民を目指すのかというのが欲しい。部活動に何を求めているのか。学習指導要領での位置付けもあいまいなままで、われわれは振り回されているのが正直な現状だ」と話し、部活動をどうすれば変えられるか、学校現場に助言してほしいと研究グループに求めた。

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