全国学力調査CBT化へPT設置し詳細検討 専門家会議

全国学力・学習状況調査の課題などについて検討している文科省の専門家会議が7月27日開かれ、全国学力調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化について、ワーキンググループ(WG)の最終まとめが報告された。この中でCBTについて2024年度から順次導入する方針などが示され、これを踏まえて会議では、WGの下に「CBT化検討プロジェクトチーム(PT)」を設置して、CBT化に向けた詳しい調査設計について具体的な検討を進めることになった。

オンラインで開かれた「全国的な学力調査に関する専門家会議」では、冒頭、耳塚寛明座長(青山学院大学コミュニティ人間科学部特任教授)が「今後数年間は、学力調査が始まって以来の最大の変革期になると予想される。中心はCBT化となるが、全国同日一斉実施から複数日の分散実施になるなど根本的な変更があり、じっくりと着実に改革を進めることが最大の課題だ」とあいさつした。

続いてWGの主査も務める大津起夫座長代理(大学入試センター試験・研究統括官)が、最終まとめのポイントを説明し、24年度から比較的規模が小さい調査から段階的にCBTの実施を始め、教科調査については中学校から先行して25年度以降できるだけ速やかに導入することや、技術的課題などの観点から複数日に分散して実施することが適当だとする方針などを述べた。

これを受けて各委員が意見を述べ、はじめにWGの委員も務める川口俊明委員(福岡教育大学教育学部准教授)が「インフラやネットワーク環境はもちろんだが、それを支える技術的なことを理解する人材の育成・雇用が大事だ。予算も必要になるがしっかり取り組んでほしい」と話した。

また、足羽英樹委員(鳥取県教委教育長)は「平等性をいかに担保するかが大事かと思う。各学校に配置したパソコンや端末にはキーボードがあるものもないものもあり、操作性の問題で学力が測りきれないということがないよう、平等な条件で正確に学力を測れるようにすることがポイントだと思う」と述べた。

垂見裕子委員(武蔵大学社会学部教授)は、最終まとめの中で、悉皆調査が複数日に分散されることに伴いIRT(項目反応理論)の採用が必要とされていることに関して、「IRTの導入で公開される問題と非公開とされる問題も出てくると思うが、児童生徒一人一人にフィードバックすることはできるのか」と質問。これに対して大津座長代理が「フィードバックをどこまでするかまでは詰めていないが、一人一人の生徒に対して行うことは視野に入れており、考えないといけない」と答えた。

会合では、耳塚座長から今後さらに詳細な制度設計をする必要があると説明された後、技術的な観点から検討を進めるためWGの下に「CBT化検討プロジェクトチーム」を設置することが提案され、了承された。

プロジェクトチームは、「悉皆調査」と「経年調査」の2つに分かれ、▽問題設計や結果分析の在り方▽試行・検証の評価及び課題の改善に向けた検討▽国際学力調査の動向を踏まえた、さらに効果的な測定手法の検討――などについて検討する方針で、今後、メンバーの人選が進められることになった。

関連記事