蔵書冊数の標準満たす学校図書館 小71.2%、中61.1%

文科省は7月29日、2020年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果を公表した。昨年5月時点で、公立学校の学校図書館に整備すべき蔵書冊数の標準を満たしている学校の割合は、増加傾向にあるものの、小学校で71.2%、中学校で61.1%にとどまった。都道府県による差も大きく、同省の担当官は「前回調査よりは大幅に改善したが、引き続き100%を目指して働き掛けていく必要がある」としている。

学校図書館図書標準の達成状況(出所:文科省「令和2年度 学校図書館の現状に関する調査」)

同省は「学校図書館図書標準」で、公立小中学校の学校図書館に整備すべき蔵書冊数の目安を示している。17年度からの「学校図書館図書整備等5か年計画」では、この標準の達成を目指すとともに、古くなった本を新しく買い替えるなどの整備で、単年度約220億円の地方財政措置を講じている。

これは使途を特定しない一般財源として措置されているため、各市町村で予算化が図られることで図書の購入費に充てることができるが、今回の調査では都道府県により整備率が大きく異なる実態も明らかになった。達成している学校が9割以上の自治体がある一方で、低い自治体では3割台にとどまっている。

「学校図書館図書整備等5か年計画」では学校司書の配置や、学校図書館への新聞配備も進められている。今回の調査では、19年度末時点で学校司書を配置している学校の割合が小学校68.8%(前回58.8%)、中学校64.1%(同58.0%)、高校63.0%(同66.6%)となり、小中学校では改善したものの、高校では減少した。

また新聞を配備する学校の割合は、小学校56.9%(前回41.1%)、中学校56.8%(同37.7%)、高校95.1%(同91.0%)で、いずれも改善した。

文科省は学校図書館について「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニングの視点からの学び)を効果的に進める基盤としての役割も期待されている」としている。今回の調査では、授業における学校図書館の活用状況についても調べており、とりわけ国語や総合的な学習の時間で活用している学校の割合が高かった。

また、全校一斉の読書活動を実施している学校の割合は小学校で90.5%、中学校で85.9%と高く、うち中学校の7割前後が朝の始業前に取り組んでいた。他にも「必読書コーナー・推薦図書コーナー」を設けている学校の割合が小中高でそれぞれ8割前後と高かったほか、小学校では図書の読み聞かせをしている学校が95.0%に上った。

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