「家庭との連携」事例充実など求める意見 生徒指導提要会議

児童生徒への指導の考え方などをまとめた「生徒指導提要」の見直しについて検討している、文科省の「生徒指導提要の改訂に関する協力者会議」の第2回会合が7月30日、オンラインで開かれた。全国連合小学校長会長からのヒアリングが行われ、生徒指導上の問題は家庭に起因するものもあるとの声が現場に多いとして、改訂にあたって「家庭との連携や働き掛けについて、具体的な取り組み事例を含めて内容の充実をお願いしたい」との要望が出された。

オンラインで開かれた協力者会議

同会議は、2010年に作成された生徒指導提要について、学校を取り巻く環境の変化に合わせて見直すために設置されたもので、同日は大字弘一郎委員(全連小会長)からのヒアリングなどが行われた。

この中で大字委員は、全国の小学校長を対象に毎年行っている調査で、いじめや暴力行為、不登校などは年々増加傾向にあるが、生徒指導上の問題の背景や原因について家庭に起因するものを挙げる学校も多いと指摘。「家庭との連携や働き掛けについて、具体的な取り組み事例を含めて内容の充実をお願いしたい」と要望した。また、生徒指導に関して学校への比重が増してきているとして、「働き方改革の視点からも、主に学校が担うもの、家庭や地域が担うもの、関係機関が担うものなどについて、社会にメッセージが出せるとよいと思う」と述べた。

文科省側からは、新たな生徒指導提要の目次構造や章立てについての案が示され、現場の教員が使いやすいように、「いじめ」「不登校」「暴力行為」など課題ごとに章立てにして、各章の構成も基本的に統一したいとの考えが出された。また、こうした課題には、児童生徒が抱える障害や健康問題といった個人的背景や、家庭的背景などの環境も影響しているとみられることから、「多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」という章も設けたいとした上で、こうした児童生徒への指導にあたっての留意事項を検討するワーキンググループを同会議の下に設置することを提案し、了承された。

この後、改訂を巡って各委員から自由に意見が出され、三田村裕委員(全日本中学校長会顧問)は「大筋はいいが、学校の守備範囲を明確にしてほしい。例えばSNSに関して、複数の学校の生徒がトラブルになったケースで学校が対応しているが、家庭に頑張ってもらうことが必要なこともある。学校の守備範囲が明確でないと連携も難しい」と要望した。

また、新井肇委員(関西外国語大外国語学部教授)は「関係機関との連携に絡むが、教育委員会と学校が生徒指導でどう連携していくのかも示してほしい。危機対応におけるサポートなど、生徒指導の体制の中で教育委員会の指導主事も参考にできるような関係性を示せるといいと思う」と提案した。

関連記事