看護学生の76%が「学習継続に不安」 コロナ禍の影響調査

全国の大学や専門学校などで学ぶ看護学生を対象に日本看護学教育学会が行った調査で、コロナ禍の影響で「経済状況に不安」と答えた学生が66.8%に達したほか、実習の中止が相次いだことなどから「学習継続に不安」と答えた学生も75.9%に上ったことが、このほど分かった。一方で、「看護職への思い」については「強くなった」が「弱くなった」を上回った。調査を行った日本看護学教育学会は「生活が困窮する看護学生への経済的支援が必須と思われるのに加え、教育の質保証が幅広く担保される方策を早急に検討する必要がある」としている。

 

同調査は、コロナ禍の看護学生の生活や学習環境への影響を調べるため、今年3月に全国の大学や短大、専門学校で学ぶ看護学生を対象に実施。216校の9140人から回答を得た。

経済状況に関する不安

このうち新型コロナウイルスの感染拡大後の日常生活への不安については、▽「とても不安」(25.3%)▽「やや不安」(61.3%)▽「不安はない」(13.3%)――との結果となり、不安を感じるとの声が大多数を占めた。また、経済状況に関する不安については、「とても不安」(22.0%)と「やや不安」(44.8%)を合わせ、66.8%の学生が不安を感じていると答えて、「不安はない」(32.8%)を大きく上回った(=グラフ1)。

経済状況が悪化して困っていること(複数回答)については、「特になし」(52.1%)が最も多かったが、▽「食費を切り詰めている」(18.5%)▽「学費が払えない」(7.0%)――といった深刻な声も寄せられた。

 

学習継続に関する不安

また、学習環境については、講義のオンラインへの切り替えをはじめ大きな影響が出ていることが分かった。特に臨地実習については、「予定通り実施」は16.2%にとどまり、「感染拡大の影響で一部中止」(66.0%)や「感染拡大の影響で全面中止」(14.1%)が多数を占め、多くが中止されていた。こうした講義内容の変化や臨地実習の中止で学習到達度が下がったと受け止める学生も多く、学習継続に関する不安について尋ねたところ、「とても不安」(22.6%)と「やや不安」(53.3%)を合わせ、75.9%の学生が不安を感じていることが分かった(=グラフ2)。

一方、感染拡大前と比較して看護職になりたいという思いの変化についてたずねたところ、「変わらない」(68.4%)が最も多く、「強まった」(16.7%)が「弱まった」(13.6%)を上回った。思いが強まった理由については、「有事下の医療現場で力になりたい」や「看護師の必要性を再認識した」「コロナ禍の医療現場の最前線にいる医療従事者への尊敬と憧れ」といった声が寄せられた。

この調査結果について、同学会は「アルバイトなどで生計を支えていた一部学生は生活困窮状態にあると推察され、経済的支援が必須と思われる。また、教育の質保証が幅広く担保される方策を早急に検討する必要がある。個々人への具体的支援は困難だが、多様な支援策を考えたい」とコメントしている。

関連記事