“自転車操業”の1学期を新人教師が振り返る オンライン初任研

GIGAスクール構想の実現や中学校の新学習指導要領の全面実施を迎えた今年度に採用された教員は、どんな思いで1学期を終えたのだろうか。埼玉県戸田市では7月29日、今年度に市立小中学校に配置された初任者を対象に、1学期を振り返りながら、2学期から実践していきたいことを発表し合う初任者研修会を行った。参加者はICTを活用した個別最適な学びへの挑戦や、子どもたちと向き合う際の悩みなどを意見交換。それぞれの目指すべき教師像を確認し合った。

 

オンラインで課題と目標を共有する初任者らと戸ヶ﨑教育長(右)

この日の初任研では、対象となる初任者12人が、午前中に戸田市立郷土博物館での研修などを受けた後、新型コロナウイルスの感染防止対策のため各勤務校に戻り、「理想の教師になるために2学期から実践したいこと」をテーマに資料を作成。オンラインでつないでプレゼンテーションした。

戸田市出身で、市立笹目東小学校の4年生を担任する木村涼介教諭は「自分は背が高いので、子どもたちが威圧的に感じることがあるようだ」と子どもとの接し方で気付いた課題を紹介。「子どもと視線を合わせたり、話をきちんと聞いたりすることを意識したい。それから、子どもに指示をした活動は自分自身でもやってみることが大事だと思った」と改善点を挙げた。また、GIGAスクール端末を活用した学びにも前向きで「クロームブックを活用すると子どもは意欲的に取り組む。できる子が退屈にならないようにしつつ、つまずいている子は個別指導ができるようにしていきたい」と話した。

市立戸田東中で家庭科を担当する藤島衿香教諭は「1学期は自転車操業で過ごしてきた。生徒との関わり方もトライアンドエラーの連続。思いもしないところで反応があり、うれしくなったこともあった」と振り返る。そんな藤島教諭が目標に掲げたのは「授業の構造化」。「生徒も私の授業の進め方が分かってきたところで、私が教えなくても自分たちで学びを進められるようにしていく。ロイロノートを活用して、逐一評価ができるようにするほか、コーチングの視点を取り入れた授業改善に取り組みたい」と意気込んだ。

初任者の発表に、うなずきながら耳を傾けていた戸ヶ﨑勤教育長は「これまで学校は落ちこぼれ対策はやってきたが、吹きこぼれ対策はやってこなかった。どんどん先へ進みたい子にもちゃんと手を差し伸べているかを念頭に入れないと、個に応じた学びにはならない。最初はトライアンドエラーで構わないが、少しずつその振り幅を小さくしていく『トライアンドアプローチ』を心がけてほしい」とアドバイス。

「ICTの活用はあくまで手段であって目的ではない。端末を使うことが目的ではないことだけはおさえてもらいたい。簡単なことではないかもしれないが、仕事に追いまくられるのではなく、仕事を自分から追うくらいの気持ちになってほしい」と激励した。

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