改定過労死防止大綱を閣議決定 教職員は引き続き重点業種

政府は7月30日、コロナ禍への対応や働き方の変化を反映させた「過労死防止大綱」の改定版を閣議決定した。教職員はこれまでと同様、過労死が多く発生しているとして、対策の「重点業種」の一つに位置付けられた。また、労働条件に関する理解を深めるため、高校新学習指導要領の「公共」などでの指導を充実させる方針が盛り込まれた。

大綱は過労死等防止対策推進法に基づき、3年ごとに内容を見直してきた。2018年に続き2回目の変更となる今回は、昨年11月から行われてきた厚労省の「過労死等防止対策推進協議会」の検討内容を踏まえて改定。

テレワークや副業・兼業、フリーランスなどの新しい働き方がコロナ禍で広がっていることを受けて、ガイドラインの周知などにより、過重労働にならないように企業に求めるとともに、過労死で親を亡くした遺児の健全な成長を支えるための相談対応の実施などが新たに加えられた。

数値目標も更新され、25年までに▽週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする▽勤務と次の勤務までの休息時間を保障する「勤務間インターバル制度」を導入している企業の割合を15%以上とし、特に中小企業への導入に向けた取り組みを促進する▽年次有給休暇の取得率を70%以上とする――ことなどの達成をうたい、公務員についてもこれらの目標を踏まえた取り組みを推進するとした。

教職員は、医療やIT産業、メディア業界などと並び、引き続き過労死対策が特に必要な「重点業種」に指定され、学校の働き方改革を一層推進していくことを求めた。

また、労働条件についての若年層の理解を促すため、高校公民科の新科目「公共」をはじめとする学習指導要領の趣旨の徹底を図り、厚労省が作成した労働法教育に関する指導者向け資料の活用促進や、過労死遺族の講話などの機会を、学校現場の負担がこれ以上増えないように配慮した上で拡充していく考えも示した。

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