事故データに基づく予防の仕組み 学校の安全管理で提案

 第3次学校安全推進計画の策定に向けた検討を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会は8月4日、第4回会合をオンラインで開き、学校の安全管理をテーマに協議を行った。委員である産業技術総合研究所人工知能研究センターの北村光司主任研究員から、日本スポーツ振興センターの災害給付制度の申請データを活用し、学校で起きた事故を分析して予防に役立てる手法が提案された。

学校管理下で起こる事故防止について検討した第4回会合(YouTubeで取材)

 子どもの傷害予防を研究している北村主任研究員はまず、科学的な傷害予防は、データに基づき、変えられる要素を探して対策を行い、変えた後の効果検証を行うサイクルを回し続けることが大切であり、学校現場で起こる事故は、こうした科学的な傷害予防の手順を踏んでいないことが多いと指摘。

 学校の管理下で生じた負傷や疾病に対し、医療費の一部を給付する日本スポーツ振興センターの災害給付制度に着目し、ほとんどの学校が加入していることから、その申請データを分析することが有効だと強調した。

 例えば、小学校で突出している体育での事故は、跳び箱運動であることがこのデータから分かり、けがの特徴から、手首や指などの骨折が多いことが把握できる。さらにそこから、こうしたけがを予防するために、跳び箱の指導場面を観察し、けがが起きやすい動きや状況を解析して、安全な指導方法を導き出せると解説した。

 その上で、同センターの災害給付制度を活用したデータ分析は出来つつあるとして、「傷害予防のメカニズムの把握に積極的に参加する学校を公募して、予防策を調べたり、効果を評価したりする仕組みが必要だ」と述べた。

 会合ではまた、学校管理下で起こり得る事故に対する危険性の認識について、国立教育政策研究所が昨年実施した調査の結果が報告された。

 全国の自治体から公立小中学校200校を抽出してアンケートを実施し、事故発生件数が比較的多い学校と少ない学校を比較したところ、事故が多い学校では、学校施設の不具合に関する管理職と教育委員会との定期的な打ち合わせの頻度が少なく、学校施設の安全性の改善について、児童生徒が意見を言ったり、児童生徒に意見を聞いたりする機会があまりない傾向にあることが示された。

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