大学進学、「合格できそう」で選ぶと不満残る 縦断調査

 進学する大学の学校選択にあたり、「合格できそうだったから」という理由で選んだ人は、進学後に不満を持つ割合が高い――。文科省が8月10日に公表した「第19回21世紀出生児縦断調査(2001年出生児)」の結果によると、進学先の大学を選んだ理由に「合格できそうだったから」と答えた人が男子39.1%、女子34.9%を占め、このうち現在の進路選択に不満を持っている人が21.5%で、他の理由を答えた人よりも不満を持つ割合が高いことが分かった。一方、学校選択の理由として「学校の雰囲気が良かったから」「特色ある取り組みを行っているなど授業内容に興味があったから」「他校よりも入試の難易度が高いから」「卒業後の大学院の進学に有利だから」「将来就きたい仕事と関連しているから」「卒業後の就職に有利だから」を挙げた人は、現在の進路選択への満足度が90%を超えていた。大学の雰囲気や授業内容、将来の進学や就職などをよく考えて学校選択を行った人は、進学後の満足度が高いことが裏付けられた。

 この調査は、2001年に生まれた子供のうち1月10~17日と7月10~17日に生まれた約3万人を継続的に調べるもので、同じ子供を取り巻く状況が毎年、どのように変化していくかを追跡できる。今回の対象者は19歳で、回答者数は2万5504人。内訳は、大学1万3061人(51.2%)、短期大学1025人(4.0%)、高等専門学校379人(1.5%)、専修学校・各種学校3546人(13.9%)、その他・不詳の在学者537人(2.1%)、就職者3553人(13.9%)、その他2240人(8.8%)、不詳1163人(4.6%)。在学者の合計は1万8548人(72.7%)だった。

 調査対象者が18歳だった時の前回調査の進学希望先と、進学実績となる今回調査の在学中の学校種を比較してみると、国公立大学が第一志望であった人のうち、希望通り国公立大学に進学した人は54.1%で、私立大学に進学した人が39.3%だった。私立大学が第一志望だった人は、93.3%が私立大学に進学していた。

 全ての学校種について進学希望先と進学実績を男女別でみると、前回調査の第一志望の進学希望先は、男子が私立大学46.9%、国公立大学35.6%、短期大学・高等専門学校(5年制)1.3%、専修学校・各種学校12.2%で、女子が私立大学42.7%、国公立大学26.6%、短期大学・高等専門学校7.4%、専修学校,各種学校20.0%だった。これに対して、今回調査で分かった進学実績は、男子が私立大学56.6%、国公立大学18.3%、短期大学・高等専門学校4.6%、専修学校・各種学校16. 1%で、女子が私立大学51.6%、国公立大学13.7%、短期大学・高等専門学校10.2%、専修学校・各種学校が21.7%だった。

 大学の在学者に学校を選択した理由を聞いたところ、男子は「合格できそうだったから」が39.1%を占めて最も多く、「将来就きたい仕事と関連しているから」34.8%、「自宅から近いから・通いやすいから」25.3%、「特色ある取り組みを行っているなど授業内容に興味があったから」24.8%、「卒業後の就職に有利だから」24.5%と続いた。女子は「将来就きたい仕事と関連しているから」が49.0%で最も多く、「特色ある取り組みを行っているなど授業内容に興味があったから」37.4%、「合格できそうだったから」34.9%、「学校の雰囲気がよかったから」33.7%、「自宅から近いから・通いやすいから」27.3%、「卒業後の就職に有利だから」25.5%と続いた。

 現在の進路選択に対する満足度を聞き、それを学校選択理由別に集計したところ、「満足」「どちらかといえば満足」と回答した人の合計の割合は、「学校の雰囲気が良かったから」が94.3%で最も高く、「特色ある取り組みを行っているなど授業内容に興味があったから」93.9%、「他校よりも入試の難易度が高いから」93.1%、「卒業後の大学院の進学に有利だから」92.8%、「将来就きたい仕事と関連しているから」92.6%、「卒業後の就職に有利だから」91.0%と続き、いずれも9割を超えた=グラフ参照。

 一方、学校選択理由は「合格できそうだったから」を挙げた人で、「満足」「どちらかといえば満足」と回答した人の合計の割合は78.2%にとどまり、「不満」「どちらかといえば不満」の合計の割合が21.5%と2割を超えた。次に満足度が低かったのは「友人が選択していたから」を挙げた人で81.0%となり、「不満」「どちらかといえば不満」の合計の割合は18.3%だった。

 学校選択に当たり、学校の雰囲気や授業内容などを事前によく理解していたり、卒業後の進学や就職につながったりすると、進学後の満足感が高いことが分かった。「合格できそうだったから」「友人が選択していたから」といった理由で進学先を選択すると、相対的に進学後の満足度が低くなる実態も浮かび上がってきた。

 また、在学者に就きたい職業の決定状況を聞いたところ、「就きたい職業は決まっている」と回答した割合は、男子が44.5%、女子が56.8%だった。対象者が高校3年生だった前回調査では「就きたい職業は決まっている」と回答した割合は、男子が51.0%。女子が66.4%で、高校を卒業して進学した後、就きたい職業が決まっている人の割合が減少していることも分かった。

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