現役高校生プログラマーが語る プログラミングで得た学び

 東京都渋谷区にあるIT企業が共同で主催するオンラインイベント「BIT VALLEY 2021」がこのほど開かれ、「Hello, tech! 『触れて、学んで、楽しむ』」をテーマに、プログラミング教育を通じたIT人材の育成事例が紹介された。小学生の頃に民間のプログラミングスクールでプログラミングを学び始め、現在では世界的に注目されているプログラマーとなった高校生が登壇し、プログラミングを通じて学んだことや、社会問題の解決に向けた挑戦について熱く語った。

 独創的なアイデアや卓越した技術を持つ17歳以下の子どもに対し、専門家のサポートや開発資金・環境などを提供する「未踏ジュニア」のスーパークリエーターに史上最年少で選ばれた大塚嶺さんは、視力が低下した高齢者のために、文字を拡大できたり、読んだ部分にマーカーを引いたりできる機能を持ったアプリを開発したことをきっかけに、医療分野でのアプリ開発に取り組んだり、医療系のアプリを開発している企業にヒアリングをしたりしている。

 現在高校1年生の大塚さんは「自分が作りたいものを形にすることも重要だが、これからの社会に求められていることを実現することも痛感している。プログラミングは未来のためのツール。もっともっと極めていきたい」と意気込んだ。

プログラミングをきっかけにさまざまな可能性を広げている菅野さん(YouTubeで取材)

 現在高校3年生で、留学先の英国の若者向け科学技術コンテスト「The Big Bang Competition」で優勝した菅野楓さんは、小中学生の頃に習得したプログラミングを通じて、物事は因果関係の集まりであり、言語化ができ、コンピューターに因果関係を記述すると、さまざまな問題が解決できることを知ったという。

 菅野さんは、プログラミングコンテストで求められるのは、技術力や知識量の要素よりも、問題を解決するためのアプローチをいかに考えられるかが重要だと指摘。その上で、自身が関わってきたアプリ開発の経験や英国での学びを踏まえ、「問題解決は技術の革新性だけでなく、いろいろな生活者の生々しい感情に向かう必要がある。プログラミング言語は世の中のさまざまな事象を表現できるが、感情を表現することはない。私たちは普段、自然言語で感情を伝達し、行動の動機になるのも主に感情だ。この社会で問題を解決するには、感情を排した合理的な手法も、人々の共感を得ることも必要になる」と強調した。

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