学校施設全体を「学びの場」に創造を 検討部会が中間報告

 GIGAスクール構想による1人1台端末の実現などを受けて、学校施設の在り方を検討している文科省の有識者会議がまとめた中間報告が8月20日、公表された。「Society5.0時代」の到来やポストコロナの新しい生活様式も見据え、画一的な姿から脱して学校施設全体を学びの場として捉え、時代の変化や社会的な課題に対応できる施設づくりを提言している。文科省は中間報告を踏まえ、財政支援制度の見直しなどについて来年度予算の概算要求に反映させる方針。

 文科省が今年1月に設置した「新しい時代の学校施設検討部会」がまとめた中間報告は、「Schools for the Future」をコンセプトに、中教審答申で示された「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」に向けて、▽学び▽生活▽共創▽安全▽環境――の5つの方向性を示した。

「1人1台端末を活用し多様な学びが展開されているイメージ」(中間報告より)

 このうち「学び」の視点では、廊下や階段なども含めて学校施設のあらゆる空間を学びの場として捉え、柔軟で創造的な学習空間の実現を提言。1人1台端末環境に対応したゆとりある教室や、多目的スペースの活用による多様な学習活動に対応した空間などをイメージ図で示した(イメージ図参照)。

 また、「共創」の視点から、学校と地域、社会が連携して創造的な活動をするための「共創空間」を生み出す必要があると指摘。他の公共施設などとの複合化、共用化などを促進していく必要があるとしている。さらに「安全」の視点からは、学校施設の老朽化対策が全国的な最重要課題になっているとして、耐久性を高めるとともに建物の性能を引き上げる「長寿命化改修」を進めることが重要だと提言している。

 こうした学校施設の整備を推進するため、国に対しては財政支援制度の見直し・充実を進めるなど国費による十分な財政措置を講ずることや、具体的・実践的な学校施設モデルを提示することなどを求めた。また、市町村教委など学校設置者に対しても、首長部局と連携して計画的・効率的な整備を進め、民間資金や活力を生かしたPFI手法の導入なども検討するよう求めている。

 中間報告を受けて、萩生田光一文科相は8月20日の閣議後会見で、「新しい時代の学校施設の姿の実現のために、国の方策として国庫補助単価や財政支援制度の見直し充実など、具体的な方策の提言をいただいた。報告を踏まえた予算要求を検討したい」と述べた。

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