【デルタ株危機】分散登校や臨時休校 関東各都県の対応

 2学期が始まるのを前に新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況から、休校や分散登校などの対応に踏み切る自治体が増えている。教育新聞では8月23日午後5時時点での、関東地方の緊急事態宣言の対象地域の状況をまとめた。

9月12日まで緊急事態宣言の対象地域となっている関東地方の1都6県の対応方針(8月23日時点)
東京都

 緊急事態宣言が9月12日まで延長された東京都では、8月18日に教育委員会の臨時会が開かれ、夏休み明けの都立学校の対応について報告された。原則として、これまでの緊急事態宣言下での対応を継続し、朝の公共交通機関の混雑時間帯を避けた時差通学やオンラインを併用した分散登校を行う。また、感染リスクの高い教育活動や部活動は中止する。

神奈川県(横浜市・川崎市・相模原市)

 感染者数が連日2000人を超え、感染が急拡大している神奈川県。県教委は8月17日に、県立高校などで時差通学や短縮授業を実施する方針を発表した。全日制課程は40分×6コマ、定時制課程は40分×4コマの短縮授業とし、部活動も含めて午後5時には生徒が下校しているようにする。今後も感染拡大が続き、最大限の人流抑制が要請されるような場合は、全日制課程でオンラインを併用した分散登校も行う可能性があるとしている。修学旅行や県境を越える校外活動は延期または中止とし、文化祭や体育祭を実施する場合は、生徒と保護者に来場者を限定するなどの工夫を求めている。

 県下の政令市3市では、8月末までを休校とし、9月以降も短縮授業や分散登校などを検討する。一方で居場所の確保のため、希望する児童生徒を学校や学童保育で受け入れる対応も進める。

 横浜市は全ての市立学校で、8月27~31日を臨時休校とし、児童生徒の健康観察を行う期間にあてる。9月1~12日は各校で午後2時30分を限度とする短縮授業を行うとともに、活動単位を学級に制限し、それを超える部活動や学校行事は中止する。

 児童生徒の食の機会を確保するため、給食は実施するほか、保護者が不在などの理由により家庭で過ごすことができない児童生徒の居場所として、学校での緊急受け入れも行う。また学校の感染状況に応じて、学級閉鎖のリスクも想定し、オンラインを活用した学びができるような準備も進めていく。

 川崎市では市立小中学校の場合、学校により8月24日~9月1日を授業開始日としていたが、全ての学校で8月31日まで夏休みを延長する。その間に分散登校日を設け、児童生徒の健康観察やGIGAスクール構想で整備された端末を活用した学習支援の準備を行う。休校中、保護者が自宅で見守ることが難しい小学生は、低学年を中心に、各校に併設された市の学童保育で受け入れを行う。9月1~10日は午前授業とし、給食も実施する。

 市立高校は予定通り、全校で9月1日を授業開始日とするが、9月10日までは短縮授業を基本とし、朝の時差通学も徹底する。また小中高とも9月12日まで、県大会などの上位大会やそれにつながる予選会以外の部活動は中止、校外に出掛ける行事も延期・中止とする。

 市立特別支援学校では、もとから少人数で個別対応が可能な体制を取っていたことから、夏季休業期間の延長は行わず、各校の当初予定通り、8月26~30日に授業を再開する。8月31日までは午前授業とするほか、食事に支援が必要な場合の感染リスクを考慮し、給食は実施しない方針としている。

 相模原市は市立小中学校・義務教育学校で8月25~31日を臨時休校とし、部活動や学校行事も中止する。居場所を確保する観点から、希望する児童生徒については学校で受け入れる。市の担当者によれば、夏休みに児童生徒の感染者が急増しており、8月24日からは、各校で保護者に対して健康状況の確認を行う予定となっている。

 児童生徒の健康観察を行った上で、感染が拡大している学校については、休校期間を延長するなどの判断をする。GIGAスクール構想で整備された端末を家庭に持ち帰っている学校が一部あり、そうした学校ではオンラインを活用した学びなども検討するという。

千葉県(千葉市)

 千葉県では、多くの県立高校で夏休みは今月末までとなっている。県教委は、夏休み明けの対応について内部で検討を進めており、早ければ一両日中に方針を決めて各市町村に通知を出す見通し。

 部活動については、今月18日に各学校に出した通知の中で、練習試合や合同練習は行わず、通常の練習も感染対策を徹底した上で週2日以上は休養日を設けることを求めている。高体連主催などの大会は、主催者の方針に従った上で参加も認めている。

 また、千葉市では、多くの小中学校で今月30日から2学期が始まるが、現時点では夏休みの延長や分散登校などは考えていないという。市教委は「対応については日々、感染状況をみながら検討を重ねている」と話し、新たな対応を取る可能性もあるとしている。部活動については、緊急事態宣言中は、練習時間を1日90分程度で週4日までとし、朝練習や練習試合などは行わないことなどを求めている。

埼玉県(さいたま市)

 埼玉県では、多くの県立学校で2学期が始まる9月1日に向けて夏休み明けの対応を検討しているが、現段階で結論は出ていない。県教委は、感染拡大が続いている状況を踏まえ、早めに協議して市町村にも通知を出したいとしている。

 部活動については、今月末までは基本的に縮小し、実施する場合も感染防止対策を徹底するよう求めている。各種大会やコンクールに出場する以外は週2日以内とし、練習試合などは禁止。県外への移動や宿泊を伴う活動も全国大会などへの出場を除いて禁止している。

 さいたま市では、8月26日から小中学校の2学期が始まるが、現段階では予定通り登校することになる見通し。部活動については、8月16日に小中学校に県と同様の方針とすることを通知している。

茨城県

 8月に入って感染者数が300人を超える日が続くなど、感染拡大が止まらない茨城県では、8月16日から県独自の非常事態宣言を発令。県立学校では8月31日まで部活動が全面禁止され、授業(課外含む)についてもリモート対応にするよう通知している。また、県内の市町村立学校、私立学校、大学等に対しても、同様の対策を要請している。
 県教委によると、県立高校、中学、中等教育学校の26校のうち、1校は8月23日から、25校は30日から夏休み明けの授業を開始する予定だったが、全ての学校で31日まで夏休みを延長している。また、9月以降の対応については、現在協議中で、今週中には対応策をまとめたいとしている。

栃木県

 栃木県は、8月23日午後5時の段階で対応を検討中で、具体的な方針はまだ固まっていない。

群馬県

 8月20日から緊急事態宣言の対象地域に加わった群馬県は、9月12日まで県立高校、県立中等教育学校、県立特別支援学校で分散登校やオンライン授業を実施する。分散登校は学校の実情に応じて始業式を午前と午後に分けることや、学年・学級を2~3グループに分け、曜日や時間帯によって週2~3日登校させることなどを想定している。

 9月12日までは部活動も休止とし、学校行事は感染リスクの高いものは避け、実施する場合であっても十分な対策を行う。小中学校を所管する市町村教委にも同様の対応を求めている。

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