【デルタ株危機】オンラインへの対応準備も 2府4県の対応

 新型コロナウイルスの感染拡大で、2学期の教育活動にさまざまな影響が出ている。教育新聞では、緊急事態宣言の対象地域となっている13都府県のうち、関東地方以外の2府4県に関し、8月24日午後5時時点での対応状況をまとめた。

大阪府(大阪市、堺市)

 感染拡大に伴い、9月12日まで緊急事態宣言が延長された大阪府や府下の政令市では、学びの継続を重視する観点などから、8月24日時点で一斉休校や短縮授業、分散登校などは行わず、通常授業を行う判断をしている。

 大阪府は8月18日、「子供たちの健やかな学びを保障するため、通常形態で教育活動を継続するが、感染リスクの高い教育活動は実施しないなどの制限を行い、徹底した感染症対策に取り組む」とする方針を府立学校に通知した。府立学校は今週から学校を再開しているが、8月24日の時点でもこの方針に変更はないとしている。

 学校行事については、感染リスクの高い活動は中止し、9月1日以降に実施する府県間の移動や、宿泊を伴う教育活動は原則延期する。部活動は府内外を問わず、合宿や他校との練習試合や合同練習は行わない。

 大阪府の吉村洋文知事は8月23日の記者会見で「看過できない状況になれば、一斉休校というのも当然、判断としてある」との考えを示しつつ、一斉休校は「子供の心身に与える影響が非常に大きい」として、現段階では休校に備え、オンラインによる学びの準備を要請していることを明らかにした。

 大阪市の市立学校では今週から始業式を迎えるが、8月24日時点では通常通りの授業を行う。部活動は他校との練習試合などは行わず、9月12日までに予定されていた修学旅行も中止または延期する方針。今後、感染が拡大した場合は、学校ごとに臨時休校などの対応を行う可能性も想定しているという。

 松井一郎市長は8月24日の記者会見で「子供たちを家庭でサポートできる体制が、全ての家庭にあるわけではない。大阪市の場合は、朝食を取れない子供たちもいる。子供たちの栄養を考えると給食は非常に重要」と、一斉休校を行わない理由を説明した。

 堺市の市立学校も同じく、今週から始業式を迎えるが、8月24日時点では通常授業を行う方針としている。子供たちの学びを止めないという観点を重視し、大阪府と足並みをそろえる。部活動は練習時間や対外試合を制限。修学旅行などの宿泊を伴う行事、運動会・体育大会は延期する。

 併せて今後、感染が拡大した場合の臨時休校や、登校に不安を感じる子供たちへの対応に備え、GIGAスクール構想で整備された端末を活用し、学習支援や健康観察を進めるとしている。

京都府(京都市)

 8月20日に4度目の緊急事態宣言が出された京都府は、前日の8月19日、府立学校に対して部活動を含む全ての教育活動を、可能な限り8月29日まで停止するよう求める通知を出した。これを受けて29日以前に2学期が始まる予定だった25校が夏休みを延長し、始業日を8月30日に変更した。

 京都府教委によると、府立高校の一部では部活動を通したクラスターも発生していることから、部活動についても緊急事態宣言中は、全国大会につながる公式試合などを除いて原則停止を求めている。

 一方、京都市は、学校での学びを保障する観点から夏休みの延長などはせず、小中学校の始業式を予定通り8月25日に行う。ただし、感染対策を強化し、宿泊も含めて校外活動は中止を求めた。

 また、部活動は小中高校とも原則中止とし、全国大会につながる大会などがある場合のみ4週間前から活動を認めるが、自校内に限り1日2時間までとしている。

兵庫県(神戸市)

 兵庫県は8月20日に緊急事態宣言が出されたことを受けて、斎藤元彦知事が8月23日、感染対策を強化する方針を発表した。学びの場として学校は重要であるとして、一斉休校や分散登校などは実施しないが、複数の感染者が出た学校では臨時休校も検討する。

 部活動については、公式試合を除いて活動場所を校内に限定し、平日は4日間(各日2時間以内)、土日はいずれか1日のみ3時間以内とする。練習試合などは中止を求める。

 修学旅行も延期または中止とし、キャンセル料が発生した場合は県が補てんすることも検討する。

 神戸市は、市立小中学校などで8月25~31日の間に3日間実施する予定だった夏季授業を取りやめることを決めた。2学期の始業式は予定通り9月1日に行うが、9月3日までの3日間は授業を午前中のみとする。9月6日以降の対応も今後の感染状況をみて検討する考え。

 部活動については、中学校は原則休止とし、高校については県と同様の活動日数や時間に制限して活動場所も原則市内に限定。高体連や中体連などが主催する公式戦は、感染防止対策を徹底した上で参加を認める。

静岡県(静岡市・浜松市)

 静岡県の県立学校は現時点で休校を予定しておらず、各学校で時差登校や分散登校、オンライン授業など、可能な限りの対応をしながら、感染防止対策を徹底した上で学校の教育活動を行うとしている。

 8月20日に県教委が示した方針によると、修学旅行は中止または延期、代替行事への変更を行い、文化祭や体育祭などの学校行事は、自校内の活動を原則としつつ、できる限り中止または延期を検討し、実施する場合は感染防止対策をより一層徹底するよう求めた。

 部活動は原則として土日の活動は中止し、平日も自校内での活動のみとし、他校との練習試合や合宿は行わない。内容も個人や少人数での感染リスクの低い活動で、短時間での活動に限定し、身体接触や大きな発声、激しい呼気を伴うものは実施しない。

 静岡市でも、市立小中学校、高校については現時点で休校は行わず、学校の教育活動を継続する。夏休み中は保護者や教職員に対し、不要不急の外出や児童生徒の各家庭の行き来などを控えるよう依頼。夏休み明けも、同居家族に発熱などの症状がある場合は登校・出勤しないことを徹底し、合唱、調理、密集する運動などの感染リスクの高い活動は回避する。

 児童生徒以外の人が参加する学校行事を行う場合は、同時に多くの人が校舎内に入らないようにしたり、人と人との接触を可能な限り回避したりするなどの対策を行う。修学旅行は実施時期や訪問地域の感染状況などを踏まえ、実施に当たっては万全な感染防止策を検討し、保護者の理解を得た上で実施することを求めた。

 部活動は▽個人や少人数での活動を短時間で行う▽飛沫(ひまつ)による感染の可能性が高い活動は行わない▽指導者は活動前後の着替えや準備片付け、休憩、下校時などの場面でも指導を徹底する――を厳守した上で、校長の判断で実施可能な範囲で活動することとした。

 浜松市も休校は行わず、通常通り2学期を迎える方針。部活動については、県の方針に準じた対応とし、各学校にチェックシートを配布して感染対策を徹底。大会の参加は主催者の判断や保護者の同意を得ることとした。

 学校行事についても8月23日に各学校に対し、実施する場合はマスクの原則着用や喚起の徹底、密集や向かい合っての発声の禁止を行うといった対策を行うよう求めた。

福岡県(福岡市、北九州市)

 福岡県教委は県に緊急事態宣言が発令された8月20日、県立の高校や中学校、特別支援学校に対し、短縮授業、時差登校、分散登校、または臨時休校のうち、学校ごとに可能なものを選択して対応するように通知した。多くの学校が8月23日から新学期を迎えており、県教委によると、8月24日時点で各学校の対応は調査中で、9月初旬をめどに把握を目指すとしている。

 部活動は全面中止だが、公式大会への参加は認め、大会前に関しては「校長の判断の下、生徒の安全確保の観点から、必要最小限の日数、時間及び人数に限り活動を認める」「生徒本人と保護者の意向を十分に確認して、同意を得た上で活動し、参加を強制することがないよう配慮する」などの留意事項を設けた上で許可している。

 併せて県教委は、県高体連や県高野連、県中体連に対し、緊急事態宣言期限である9月12日までに予定する主催大会を原則延期するよう要請した。

 多くの学校が8月27日から新学期を迎えることになる福岡市教委では8月24日、全市立小中学校で時差登校を実施する方針を示した。さらに、学校ごとの感染状況に応じて、短縮授業や分散登校などの柔軟な対策を講じるよう求めている。各学校の対応については、九州大学病院グローバル感染症センターの助言を踏まえ、学校と教委が協議して進める。

 部活動に関しては公式大会の出場などを除き、原則中止する。

 また、福岡市ではGIGAスクール端末の活用が進んでおり、学級閉鎖や臨時休校となった場合は、これまでの知見を生かしたオンライン授業やオンデマンド学習へ速やかに移行する方針だ。基礎疾患や感染不安で登校できない児童生徒に対しても、自宅でオンライン授業を受けられる環境を整備し、随時対応することが可能だという。

 市教委の担当者は「これまでも一定数いた感染不安で登校できない児童生徒に対して、教室と家庭をつなぐオンライン授業を実施してきた。端末の持ち帰りやルーターの貸し出しも市内の学校ではすでに完了しており、『明日からオンライン授業』となっても教員、児童生徒ともに対応できる体制は整っている」と説明した。

 北九州市教委は8月24日、緊急事態宣言の期限である9月12日まで全ての市立学校で短縮授業とすることを決めた。授業は午前のみで、給食は提供する。また授業1コマ当たり5分間短縮するため、小学校では40分、中学校では45分授業になる。部活動は中止とする。

 さらに、9月以降はオンライン授業にも対応できるよう、各学校と調整を進める。登校に不安を感じる児童生徒がオンラインで授業を受けられる体制を、早急に整えるという。

 市教委の担当者によると、一部の2学期制の学校では既に授業が始まっているが、感染不安による自主休校の児童生徒は一部いるものの、急激に増加するといった傾向は今のところみられないという。

沖縄県

 5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県は、感染力の強いデルタ株の勢いが拡大し、医療提供体制のひっ迫や児童生徒の新規感染者の増加などの危機的な状況になっているとして、8月18日、県立学校については、2学期が始まる8月23日から31日まで分散登校を実施するとした。進路決定の時期を迎えている最終学年の生徒については、万全な感染症対策をした上で原則、通常登校とし、分散登校を行う学年では、5割減をめどに実施。特別支援学校については、各校の実情に応じた対応とする。分散登校で登校しない日の自宅学習や濃厚接触、感染不安などでやむを得ず登校できない場合に対応して、オンラインによる学習支援を行う。

 その上で、宿泊や島外との往来を伴う教育活動は中止または延期、県内での校外での教育活動も延期または縮小することとし、校内での学校行事のうち、体育祭などの感染リスクの高い活動も延期または縮小とする。

 分散登校期間中も引き続き、部活動は原則休止とする。

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