【デルタ株危機】10代以下の感染拡大 新学期迎え対策強化

 新型コロナウイルス感染症を巡って今年7月から児童生徒の感染者数が急増しているのに加え、新規感染者に占める10代以下の割合が増えていることが、文科省や厚労省の調査で分かった。こうした状況を踏まえて文科省は8月25日、自民党文科部会で、新学期を迎える小中学校などへ抗原簡易キットを配布するなど、感染防止対策を強化する方針について説明したが、議員からは「科学的知見に基づいて踏み込んだ対策が必要だ」などとさらなる対策を求める声が上がった。

 文科省のまとめによると、児童生徒の新規感染者数は先月から増加傾向が続き、7月5~11日の週の555人から、7月26日~8月1日に2160人、8月2~8日には2441人と急増し、今年に入って最多を更新した。小中学生の感染経路については、以前からと同様、家庭内感染が最も多く、7月は小学生で71%、中学生で57%に達した。

 また、厚労省の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」によると、新規陽性者数を年齢階級別に見た場合、10代以下は今年3月までは全体の10%前後にとどまっていたが、少しずつ増え続け、8月には20%近くまで上昇した(グラフ参照)。

 文科省はこうした状況を踏まえて、夏休みを終えて新学期を迎える学校の感染対策を改めてまとめ、自民党文科部会で説明した。感染対策は今月20日に全国の都道府県教委などに通知した事務連絡がベースで、その中で示したチェックリストを参考に基本的な感染対策の取り組み状況を点検するよう求めている。また、やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対しては、ICTの活用などによる学習指導や、端末の持ち帰りを安全・安心に行える環境づくりに取り組むことを求めている。

 さらにこれまで高校などに希望に応じて配布してきた抗原簡易キットについて、新学期を迎える小中学校や幼稚園にプッシュ型で配布する方針についても説明した。抗原簡易キットは、主に出勤後に発熱などを訴える教職員に対して行うことを想定している。児童生徒については、体調不良時はすぐ帰宅して医療機関を受診するよう指導することが前提だが、補完的に使用することもできるとしている。

 さらに教職員へのワクチン接種を推進するため、地方自治体や大学拠点接種を行う大学に優先的に接種できるよう協力を要請していることを説明した。

 こうした説明に対し、各議員からは、科学的知見やこれまでの経験に基づいて、さらに学校や市町村教委が判断しやすい踏み込んだ対策を示すよう求める声が上がった。また、ワクチン接種に関連して、地方の市町村に比べて大都市部で進まないなど、ばらつきがあるとして、職域接種の活用をさらに促すべきだといった声なども上がったという。

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