「発展的解消とは何か」 教員免許更新制廃止に自民党内で異論相次ぐ

 教員免許更新制について、中教審小委員会の議論を踏まえて萩生田光一文科相が廃止に向けて法改正を進める方針を示したことを巡り、自民党文科部会は8月26日、文科省からのヒアリングなどを行った。会合では、制度の廃止は、同党が今年4月に文科省に提言した「制度を維持した上で柔軟に見直す」とする内容に沿っていないなどとして、慎重・反対の意見が強く、同部会では法改正に向けた議論の中で制度の中身をチェックする方針。

教員免許更新制を巡り議論が交わされた自民党文科部会

 教員免許更新制を巡っては、教員が多忙な中で経済的・物理的な負担感が生じているとの声が強いとして、中教審の教員免許更新制小委員会が見直しに向けた議論を進め、今月23日、「発展的に解消することを文科省において検討することが適当である」とする審議まとめ案を了承。これを受けて、萩生田文科相が来年の通常国会で必要な法改正を行い、再来年から教員免許更新制を発展的に解消する方針を示し、各教育委員会が研修履歴を管理する新たな教員研修制度に移行させる考えを表明した。

 同日の部会では、文科省側から教員免許更新制に関する検討の経緯とともに、9月中に中教審の特別部会と小委員会の合同会議を開いて審議まとめ案を修正した上で、10月にパブリックコメントを実施し、国会への法案提出に向けた準備を進めたいとのスケジュールが説明された。

 部会後に会見した赤池誠章部会長によると、これに対して6人の委員が意見を述べ、2人は賛成を示したが、4人は廃止の方針に慎重・反対の立場を示した。背景には、同部会が今年4月、教員免許更新制について「制度は維持した上で柔軟に見直す」と同省に提言した経緯があるといい、「『発展的に解消』の発展的とは何か分からない」「制度をなくすのは簡単だが、もう1度作るのは大変であり、しっかり議論すべきだ」などとの声があったという。さらに免許更新制を廃止した場合、公立学校に研修を義務付けても、私学の教員などに義務付けるのは難しいのではと危惧する意見もあったという。

 赤池部会長は「コロナ禍で大変な思いをしている現場に、混乱なく円滑に進めることが必要ではないか。教育基本法の理念に沿って、先生方が崇高な使命を持って研修を積めるよう、法改正の議論をする中で具体的な制度の中身をしっかりチェックしたい」と述べた。

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