ヤングケアラーや子供の居場所支援など強化 厚労省概算要求

 厚労省はこのほど、来年度予算に向けた概算要求を公表した。総額は過去最大の33兆9450億円で、今年度予算から8070億円(2.4%)の増。子供と家庭への支援では、ヤングケアラーや育児に不安を抱える家庭を支援するモデル事業や、子供の居場所確保を支援するモデル事業の創設を盛り込んだほか、児童虐待防止対策の強化などに重点を置いた内容となっている。

 同省は概算要求の重点要求として、「新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靭な保健・医療・介護の構築」「ポストコロナに向けた成長と雇用の好循環の実現」「子どもを産み育てやすい社会の実現」「安心して暮らせる社会の構築」の4つを掲げ、コロナ対策を優先しつつ少子化対策などに力を入れる方針を示している。

 このうち「子どもを産み育てやすい社会の実現」では、「子育て家庭や女性を包括的に支援する体制の構築」に405億円(今年度239億円)と大幅な増額を要求する。具体的な事業としては、幼いきょうだいの世話などをするヤングケアラーや、育児に不安を抱える家庭への育児支援ヘルパー派遣、相談支援・家事支援などを行う「子育て世帯訪問支援モデル事業(仮称)」を創設。また、家庭や学校に居場所のない子供に居場所を提供して学習支援などをするとともに、子供一人一人に寄り添った支援計画を策定する「子どもの居場所支援モデル事業(仮称)」も創設する。

 同省子ども家庭局によると、有識者会議で、保護者や子供を直接支援する施策が不足していると指摘があったことなども踏まえて対応した。当面は先駆的にヤングケアラーなどの支援活動に取り組んでいるNPO団体などの活動に補助金を出しつつ、優秀な取り組みの横展開を図るほか、事例を集めて新たな制度化につなげたいとしている。

 児童虐待に関しては、「児童虐待防止対策・社会的養育の迅速かつ強力な推進」に1801億円(同1639億円)を要求する。一時保護所の定員超過を解消するため、「解消計画」を策定した自治体に対して施設整備の補助率をかさ上げするほか、児童相談所の専門人材確保を支援する。また新たな事業として、子ども食堂や宅食を行う民間団体も含めた、地域の中での子供見守りの体制強化をサポート。里親委託に意欲的な自治体の取り組みも支援し、里親家庭への養育支援の充実も図る。

 さらに「新子育て安心プランをはじめとした総合的な子育て支援」として1066億円(同969億円)を要求。待機児童の解消に向けた保育の受け皿整備や、保育人材確保のために保育士・保育現場の魅力を発信するほか、ICTを活用した業務システムの導入などで保育士の業務負担軽減に取り組む。

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