【全国学力調査】 休校の長さと平均正答率に相関なし

 文科省は8月31日、今年度の全国学力・学習状況調査の結果を公表した。国立・私立学校を含めた各教科の平均正答率は▽小学校国語 64.9%▽小学校算数 70.3%▽中学校国語 64.9%▽数学 57.5%――で、都道府県・政令市別にみると石川県が全ての教科で最高値となった。学校への質問紙調査では、昨年の新型コロナウイルスによる休校期間の長さと各教科の平均正答率との間には相関は見られなかった。

全国学力調査の各教科の平均正答率

 昨年度が新型コロナウイルスの感染拡大による一斉休校の影響で中止となり、2年ぶりの実施となった同調査は、全国の小学6年生の国語と算数、中学3年生の国語と数学から出題される学力調査と、各学校、児童生徒への質問紙調査で構成され、5月27日に実施された。新型コロナウイルスの影響などで、5月28日~6月30日に実施した学校が小学校で103校、中学校で184校あり、これらは全体の集計から除いているほか、児童生徒質問紙調査は一部の国立大学附属学校でタブレット端末などを用いたオンラインによる回答が試行的に行われた。

 平均正答数は14問中9.1問だった小学校国語では、「話すこと・聞くこと」の出題では、資料を用いる目的を理解したり、目的や意図に応じて資料を使って話したりすることはできているものの、目的に応じて文章と図表を結び付けて、必要な情報を見つけて読むことには引き続き課題がみられた。

 小学校算数の平均正答数は16問中11.3問で、速さと道のりを基に時間を求める式を表すことはできているが、速さを求める除法の式と商の意味を理解することや、データの活用で帯グラフで表された複数のデータを比較し、示された特徴を持った項目とその割合を記述することに課題があった。

 中学校国語の平均正答数は14問中9.1問で、平均正答率は問題が異なるため単純比較はできないが、前回と比べて8.3ポイントほど低下した。文章を読みながら、登場人物の言動の意味を考え、内容を理解することはできているが、文章に表されているものの見方や考え方を捉え、自分の考えを持つことに課題があったほか、過去の小学校の調査で課題がみられた相手や場に応じて敬語を適切に使うことに関する問題でも、引き続き課題が残った。

 平均正答数が16問中9.2問だった中学校数学は、関数で日常的な事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することに引き続き課題がみられた。また、データに基づいて事象を考察する場面では、データから中央値を求めることには改善傾向がみられたものの、2つの分布の傾向を比べる際の相対度数の必要性と意味の理解には課題があった。

 都道府県(政令市がある道府県は政令市を除く)と政令市の平均正答率を見ると、小学校国語で最高だった71%だったのは秋田県と石川県で、最低の59%だったのは神奈川県。小学校算数では、最高の74%は東京都と石川県、京都市で、最低の66%は宮城県だった。中学校国語は、最高の69%だったのは石川県で、最低の60%だったのは沖縄県。中学校数学は、最高の63%が石川県で、最低の52%が沖縄県だった。

 文科省は、各都道府県・政令市の小数点以下の値は公表していない。同省の担当者は「平均正答率はプラスマイナス10%の範囲内であり、問題数でも1~2問程度の違いだ。都道府県や政令市で学力差が広がっているわけではない」と話している。

 また、質問紙調査では、今回は昨年の新型コロナウイルスによる臨時休校の影響についても尋ねた。それによると、児童生徒への質問紙調査で「勉強について不安を感じたか」との質問に「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と回答した割合は小学生で55.0%、中学生で62.5%に上り、休校中に「計画的に学習を続けることができたか」との質問で肯定的に回答した割合は小学生で64.7%、中学生で37.7%と、児童生徒間で差が見られる結果となった。

 学校への質問紙調査では、臨時休校の期間と各教科の平均正答率との間には、全体的に相関は見られなかったが、文科省では児童生徒の家庭状況による影響なども考えられるため、さらなる詳細な分析を行う必要があるとしている。

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