校務分掌に学校安全主任 第3次計画での明記を座長が提案

 第3次学校安全推進計画の策定に向けた議論を行っている中教審初等中等教育分科会学校安全部会はこのほど、第5回会合をオンラインで開き、学校安全に関する教員養成や教員研修の充実について事例発表を行った。座長の渡邉正樹・東京学芸大学教職大学院教授は、第3次計画では、「学校安全主任」を校務分掌上に位置付ける必要性を提言した。

校務分掌上に「学校安全主任」を位置付けることを提案した渡邉座長(YouTubeで取材)

 この日の会合では、全国学校安全教育研究会会長の木間東平・東京都葛飾区立柴又小学校校長が、同校での学校安全の取り組みとして、毎月の安全指導日の朝の会で行われる10分間指導や、通学路の危険を登校班の班長・副班長の児童が担当教員に報告するなどの活動を紹介。

 「学校安全を根付かせられるかどうかは、校長のリーダーシップにかかっている。どの教員も安全教育の重要性は認識しているが、いろいろなものをやらなければならない中で優先順位は校長次第だ。その点で、研修が最も必要なのは管理職だ」と、管理職の意識改革の必要性を強調した。

 また、大阪教育大学では、不審者が校内に侵入し、児童が犠牲となった「附属池田小事件」の教訓を踏まえ、大学2年生で「学校安全」を必修科目として開設。附属池田小での教育実習では、不審者対応訓練への参加も行われるなど、安全教育への意識を持った教員を育てている。また、他大学や小中学校などと連携し、オンラインでの安全教育の研修プログラムや教材開発などにも力を入れる。

 これらの包括的な学校安全の取り組みであるセーフティプロモーションスクール(SPS)の推進について、事例発表を行った藤田大輔・大阪教育大学教授は「いわゆる子どもたちの脅し教育ではなく、ソーシャルサポート認知に基づく自己認知、自己効力感を基盤とした共感と協働に基づく活動を展開することによって、10年、20年先の地域の安全安心を担う人材育成を目標としている」と説明した。

 最後に発表した渡邉教授は、これまでの第1次、第2次計画で見えてきた組織活動の課題について問題提起した。特に学校における人的体制の整備では、「安全主任といった学校安全の中核となる教職員」や「学校安全の指導的な役割を担う教職員」などの記述はみられるものの、具体的に校務分掌にどう位置付いているかが不明瞭であると指摘。「中核となる教員を『学校安全主任』として示す時期ではないか」として、各学校で学校安全を担う教員が必ずいるようにする体制について、第3次提言で踏み込むべきだと提案した。

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