デジタル庁、GIGAアンケート公表 関係大臣がメッセージ

 デジタル庁は9月3日、「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケート」の結果を公表した。アンケートは今年7月に実施し、児童生徒から約21万7000件、教職員や保護者などの大人から約4万2000件の回答が寄せられた。これを踏まえ平井卓也デジタル改革相、萩生田光一文科相、武田良太総務相、梶山弘志経産相が共同メッセージを出し、現状の課題について「教育関係者の声も聞きながら、粘り強く検討を重ねる」とした。

 アンケートでは児童生徒に対し、タブレットを使う上での困りごとを尋ねた。小学生では操作方法などリテラシー面での課題が多く、一方で中高生では学校のネットワークの遅さなど、通信環境に関する課題が多く挙がった。また、さらなる利活用のために必要なことを問う設問では、ルールを守ること、教員の言うことを聞くことを重視した意見が小学生に多い一方、中高生では活用機会を増やすことや、環境整備を求めるコメントが多い傾向があった。

 また教職員については、約6割が「リテラシーの高い特定の教職員に業務負担が偏る」、約5割が「担当教科でのICTの効果的な活用方法が分からない」、約4割が「教職員向けのICT環境が整備されていない」という課題を挙げた。教職員からは他にも、ネットワーク整備や研修の必要性、専門人材による支援などが挙げられた。

アンケートに寄せられた課題の数々(出所:デジタル庁など「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートの結果及び今後の方向性について」)

 デジタル庁は民間事業者と共にアンケート結果を分析した上で、今回のアンケートにより抽出された表層課題だけでなく、さらにその裏にある、モラル・リテラシーの不足、学校業務のデジタル化の遅れ、学習内容や指導の在り方・目指す学びの姿の提示不足といった本質的な課題にも対応していく必要があると考察している。

 今後の主な国の施策としては▽意義・事例の発信、関係者との連携▽利活用のさらなる推進▽学校・家庭のICT活用環境整備▽コンテンツ・システムの充実などデジタル化の推進――を挙げた。文科省は今年5月に設置された「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議」の議論も踏まえ、今年度中の早い段階で、利活用の促進に向けたガイドラインを示すとしている。

 このアンケート結果を踏まえ、平井デジタル相、萩生田文科相らは3日、共同メッセージを発出。児童生徒に向けては「先生や友達とのリアルな触れ合いも大切にしながら、こうしたデジタル機器を使って、皆さん一人一人が未来を切り拓く力を身につけられるよう、また、今のような非常時でも学び続けることができるよう、国として全力で取り組む」と語り掛けた。

 教職員や保護者に向けては「9月1日のデジタル庁の設置も契機として、教育のデジタル化を政府一丸となって強力に進めていくが、その目的は、デジタルを手段として、加速度的に変化する社会の創り手となる子供たちの可能性を解き放ち、多様な子供たち一人一人のニーズに合った教育を提供すること」と改めて強調。

 今回寄せられた意見を踏まえ、「全ての課題が一斉に解決できるわけではなく、学校のネットワーク環境の更なる改善や教職員端末の整備・更新をはじめ、引き続き検討を重ねるべき事項もある。これらについては、関係省庁が『ワンチーム』となって、教育関係者の皆さまの声も聴きながら粘り強く検討を重ねる」とした。

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