高校での日本語指導で特別の教育課程 検討会議が報告書案

 外国にルーツのある生徒が高校で十分な日本語指導を受けられるようにする制度設計を巡り、文科省の「高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議」はこのほど、高校に日本語指導のための「特別の教育課程」の編成を可能とする報告書案を、オンラインで行った第4回会合で示した。一方でこの日の会合では、「特別の教育課程」を編成して行う日本語指導は、必履修教科・科目等に代替できないことも確認された。

日本語指導のための「特別の教育課程」の編成を可能とする方針を示した検討会議(YouTubeで取材)

 高校に在籍していて日本語指導が必要な生徒は年々増加しているが、小中学校と異なり、高校では日本語指導を目的に取り出し授業などを行う「特別の教育課程」を編成することができず、こうした生徒がいる場合には学校設定教科・科目や放課後の個別指導などで対応していた。

 報告書案では、小中学校と同様に「特別の教育課程」の編成・実施を高校でも可能とすることで、日本語の習熟レベルなどに応じて個別の指導目標を設定し、きめ細かな日本語指導を授業時間内に行えること、従来の学校設定教科・科目の授業と組み合わせることで、生徒にとって選択の幅が広がるなどの、日本語指導を制度化するメリットを挙げた。

 また、指導形態は生徒の日本語能力に応じて、日本語指導を一定時間、別室で行う「取り出し授業」を基本としながらも、指導者の確保が困難である場合は、近隣の日本語指導の必要な生徒が多く在籍している高校でその指導を受け、それを在籍校の教育課程で行われたものと見なす仕組みとすることや、日本語指導のできる教員の配置やサポートなどを行う必要性を明記した。

 一方で、前回の会合で委員から、「日本語能力がまだ十分にない生徒が、国語などの必履修教科・科目をこの『特別の教育課程』で代替することは可能か」との質問が出たことを受けて、文科省はこの日の会合で、高校の必履修教科・科目の趣旨や目的を踏まえると、「特別の教育課程」を編成して行う日本語指導を必履修教科・科目等に替えることはできないとする見解を示した。また、各高校で必履修教科・科目を「特別の教育課程」による指導を受けた後に履修できるようにすることや、習熟度別指導などの指導方法の工夫、増加単位の活用などを行うなどして対応することが求められるとした。

 検討会議では次回会合で、報告書案の取りまとめを行う方針。

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