コロナ禍のオンライン授業、取り扱いを再び通知へ 文科相

 新型コロナウイルスへの感染不安を含め、学校に登校できない児童生徒がオンライン授業を受けた場合の出欠の取り扱いについて、萩生田光一文科相は9月7日の閣議後会見で、「オンラインで授業を受けているのに、『出席したことにならないんじゃないか』と児童生徒や保護者が不安に思っている。『それは大丈夫ですよ』と改めて通知したい」と述べ、不安解消に向けて新たな通知を出す考えを示した。同時に「ルールを変えることは現時点では考えていない」と指摘し、登校できない児童生徒は「出席停止・忌引等」として扱い、オンライン授業は特例として記録するという、従来の対応を堅持する考えを示した。

コロナ禍でのオンライン授業について説明する萩生田文科相

 緊急事態宣言下での二学期のスタートになったことから、登校による対面授業と自宅でのオンラインによる授業を組み合わせて分散登校を行うなど、自治体や学校によってさまざまな対応が広がり、オンラインを活用した授業を巡る出欠の取り扱いが改めて注目されている。

 これを受けて、萩生田文科相はまず、「やむを得ず学校に登校できなかった日数は、指導要録上、出席しなければならない日数から除外され、欠席日数として記録しない。進学や入試などで出席日数等によって不利益を被ることがないようにする。やむを得ず学校に登校できない児童生徒には、学習に著しい遅れが生じることのないよう、同時双方向性のウェブ会議システムを活用するなど自治体や学校に積極的な取り組みを促し、オンラインを活用した特例の授業として指導要録に記録している」と、これまでの通知内容を説明した。

 こうした文科省の通知に沿うと、登校による対面授業に出席すれば、通常と同じく出席扱いになるが、オンラインで授業を受けた場合には、やむを得ず登校できなかった児童生徒として扱われる。指導要録上は「出席停止・忌引等」として記録され、欠席扱いにはならない。授業を受けたこと自体は、オンライン授業であっても、校長が認めれば、特例として指導要録に記録されることになる。分散登校やオンライン授業を活用している多くの自治体では、こうした文科省の通知に沿って出欠の取り扱いを行っている。

 しかしながら、オンライン授業を受けた場合には、対面授業と同じ出席扱いにはされないことになるので、児童生徒や保護者からは、不利益を恐れて、不安を訴える声が絶えない。一部の自治体では、コロナ禍での同時双方向のオンライン授業について、緊急避難的に対面授業と同じく出席扱いとする動きも出てきた。

 こうした状況について、萩生田文科相は「自治体で判断が分かれているのも承知している。一番の心配は、オンラインで授業を受けているのに、それを出席扱いしてくれないということ。児童生徒や保護者は『出席したことにならないんじゃないか』と不安に思っているので、『それは大丈夫ですよ』と改めて通知したい」と述べ、不安の解消が必要との考えを示した。また、オンライン授業の取り扱いを巡り、「ルールを変えることは現時点では考えていない」とも指摘した。

 オンラインを活用した授業を出席扱いとはしない理由について、同省では「学校教育は教師と児童生徒との関わり合いや児童生徒同士の関わり合いなどを通じて行われる。義務教育は原則として通信制で代替できるものではない」(初等中等教育局教育課程課)と説明。小中学校におけるオンラインを活用した授業は、感染症や災害発生時など対面授業ができない非常時に限定して行われるほか、不登校や病気療養などやむを得ない理由で登校できない児童生徒に対する学びの保障の手段として活用されるべきだとの立場をとっている。

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