課題のある子どもの居場所を制度化 厚労省専門委で提案

 今年度中の児童福祉法の改正を視野に、子育て支援や家庭のソーシャルワークなどの制度的課題を検討している、厚労省の社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会は9月7日、第33回会合をオンラインで開いた。具体的な対応策として、保育所や認定こども園などに、子育て世帯が気軽に利用できる「かかりつけの相談機関」としての機能を持たせることや、さまざまな事情で孤立状態にある子どもが、保護者・家庭から離れ、相談支援や社会との交流支援を提供する「児童育成支援拠点事業(仮称)」の創設などが提案された。

児童育成支援拠点事業のイメージ

 この日の会合では、これまでの議論を踏まえ、妊産婦・子育て世帯につながる機会の拡大、市町村のソーシャルワーク機能、子育て世帯の家庭・養育環境への支援に対する具体的な対応策が提示され、それに対する検討が行われた。

 待機児童問題における量的拡充がひと段落する見通しがついた子育て支援施策では、全ての子育て世帯が気軽に相談できる環境づくりを推進し、市町村で母子保健と児童福祉の相談支援を一体的に行う中核的な拠点として、母子健康包括支援センターと子ども家庭総合支援拠点を再編することを提案。地域の実情に応じて、保育所や認定こども園、児童館、地域子育て支援拠点、子ども食堂などが、日常的にこれらを利用していない世帯も含めて、子育ての相談を気軽にできる「かかりつけの相談機関」とすることもうたった。

 また、不登校の子どもやヤングケアラー、ネグレクトに近い状態など、家庭に課題のある子どもを念頭に置いた居場所の確保や、保護者への相談などをする場が必要であるとし、新たに「児童育成支援拠点事業(仮称)」を設ける考えが示された。

 同事業では、家庭環境などの理由から孤立状態にある子どもを対象に、安心して過ごしながら生活習慣の形成を支援する居場所としての機能と、子どもの個別のニーズを把握し、保護者や家庭に助言・相談支援をする機能、学校やNPO、児童相談所などの関係機関につなぎ、協働して継続的に支援を提供していく機能を持たせることを想定している。

 こうした具体案について出席した委員からは「(かかりつけの相談機関の機能を持たせることは)保育所としてはかなりの予算規模になるので、人員配置の手当てが必要だ。保育士の相談支援技術、ソーシャルワークの強化も求められる。それがなければ、絵に描いた餅で終わるのではと危惧している」「児童育成支援拠点事業はとても大事。自治体レベルで居場所の確保をしていこうという動きを後押しすることになる。実質的に居場所を提供している場として民間の学童保育がある。こうした民間の学童保育の蓄積やリソースを組み込んでいくことが、大事ではないか」などの意見が出た。

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