日本語教育の参照枠を大筋了承 文化審小委員会が報告案

 外国人が日本語を学習する際の目標や基準を整理した「日本語教育の参照枠」の策定について議論してきた、文化庁文化審議会国語分科会日本語教育小委員会は9月14日、第108回会合をオンラインで開き、「日本語教育の参照枠」に関する報告案について大筋で了承した。

報告案で示された基礎漢字の一覧

 「日本語教育の参照枠」は「ヨーロッパ言語共通参照枠」(CEFR)を参考に、日本語が基礎段階にある言語使用者のレベルをA、自立した言語使用者のレベルをB、熟達した言語使用者のレベルをCとし、それぞれを二分割した6レベルで整理。「聞くこと」「読むこと」「話すこと(発表)」「書くこと」「話すこと(やりとり)」の各言語活動について、日本語を使ってできることを具体的な文章(Can Do)の形式で493項目挙げ、リスト化した。

 報告案では、これらを基に就労や就学・進学、子育てなど、さまざまな分野や生活の場で独自のCan Doを作成することが期待されるとした。

 また、漢字の学習では、特に日本で生活する人にとって最低限必要な基礎漢字を提示。これに住所や名前などの、学習者にとって必要な漢字を追加することとし、学習者のレベルや置かれている状況を踏まえつつ、「見て意味が分かればよいもの」と「意味と読み方が分かればよいもの」「書けることが望まれるもの」を区別することが必要との方針を示した。

 一方で、この「日本語教育の参照枠」を外国にルーツがある児童生徒への指導に活用することは、子どもの言語・文化的背景や発達段階に配慮し、適切かどうかを慎重に見極める必要があると指摘。

 国内の学校で第二言語として日本語を学ぶ外国人児童生徒だけでなく、海外の補習授業校などで継承語として日本語を学ぶ日系外国人や、海外の中等教育機関で外国語として日本語を学ぶ子どもたちなど、母語の修得状況も含めて子どもたちの日本語学習は多様であることを踏まえ、個々の子どもに最適な指導を考えることがより重要になるとした。

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