文科省が「遺族に寄り添った対応」求める 児童自死で

 東京都町田市の小学6年の女子児童が、同級生からいじめを受けていたという内容の遺書を残して自死したことを巡り、文科省は9月14日、町田市教委と都教委の担当者を同省に呼んで事実確認するとともに、いじめ防止対策推進法にのっとって初動対応などを検証し、遺族に寄り添って対応するよう指導した。またこれに先立ち、萩生田光一文科相は閣議後会見で、「大変痛ましい事案で重く受け止めている」などと述べ、学校から配布された端末がいじめに使われたことについても、「重く受け止め、全国の自治体に改めて周知すべきことがあればしっかり取り組みたい」と、端末の正しい管理運用の徹底を求めていく考えを示した。

児童の自死を巡る、文科省の町田市教委と都教委への事実確認

 遺族の説明などによると、昨年11月30日、町田市立小学校6年の女子児童が自宅で自死し、遺書にいじめを受けていた同級生数人の名前といじめの内容が記載されていた。児童は仲間外れにされたり、学校から配布されたタブレット端末のチャット機能を使って「うざい」「きもい」などと悪口を書き込まれたりしていたといい、遺族の要望を受けて学校は今年2月になって重大事態として市教委に報告した。町田市教委は現在、常設の調査委員会で調査を進めている。一方、遺族は学校と市教委の対応や説明が不十分だとして不信感を強め、新たに第三者委員会をつくって調査するよう市教委に求めており、9月13日、文科省を訪れて徹底した調査などを要望した。

 これを受けて文科省は14日、町田市教委と都教委の担当者から、児童の自死を巡る対応について事実確認を行った。聞き取りは約1時間に及び、学校がいじめを認知した初動から現在に至るまでの対応について確認したという。この中で文科省は、いじめ事案を最初に認知した際の初動対応や、重大事態として扱った時期が適切だったかどうかを、いじめ防止対策推進法にのっとって改めて検証するよう求めるとともに、特に遺族に寄り添って対応するよう指導した。また、都教委に対しても町田市教委と連携してサポートするよう求めたという。

 文科省によると、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインでは、自殺の原因にいじめの可能性があると分かった時点で重大事態と捉えるべきとされており、市教委の調査委員会でもこうした対応が検証される見通し。また、遺族が新たに第三者委員会の設置を求めていることについては、「現在の委員会の委員を増やすなどの方法も含めて、遺族側と妥協点を見つけてほしい」と助言したという。

 文科省は今後も都教委、市教委と連絡を密にとって指導助言を続ける方針。

 一方、これに先立ち萩生田文科相は会見で、「子供の命が自らの手で失われたという大変痛ましい事案で、重く受け止めている」と述べ、早急に事実確認などを進める姿勢を表明。また、児童に配布されたICT端末がいじめに使われていたことについても、「極めて残念な事実で重く受け止めている。遺族からIDやパスワードの管理がずさんだったとの指摘もある。当時適切な対応がとられていたかについても確認したい」と述べた。

 さらにICT端末の活用に先進的に取り組んだ町田市でこうした事案が起きたことも踏まえ、「文科省としては、IDやパスワード管理を含め、今年度からのICT端末の本格運用に際しての留意事項を整理したチェックリストを作成して周知してきたが、この事案を踏まえ、さらにどう対応すべきかしっかりと検討したい。その上で今後、全国の自治体に改めて周知すべきことがあれば、しっかり取り組みたい」と述べ、端末の正しい管理運営の徹底を求めていく考えを示した。

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