「こども庁」創設へ有識者会議発足 年内に「こども政策」方針

 子供関連の施策を総合的に扱う新しい行政組織「こども庁」の創設に向け、政府の「こども政策の推進に係る有識者会議」(座長・清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長)が発足し、9月16日に初会合が開かれた。中教審など関係省庁の審議会の座長ら6人の構成員と、子供支援などに取り組むNPO団体など18人の臨時構成員を加えた24人がメンバーで、年末に向けて新たな「こども政策」の基本理念や方向性について議論を重ね、取りまとめる方針。

 いわゆる「こども庁」創設に向けては、政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)の中で、「子供に関するさまざまな課題に総合的に対応するため」として、新たな行政組織の創設が明記された。これを受けて、内閣官房に「こども政策推進体制検討チーム」が発足し、検討作業を進めている。

 こうした中、子供を巡るさまざまな課題に対応するための「こども政策」の方向性を検討する目的で、この有識者会議を新たに設置。16日の初会合は官邸と構成員らをオンラインで結んで行われ、初めに各審議会で座長を務める構成員が、少子化対策や貧困対策などの審議状況を報告した。

 続いて臨時構成員のうち4団体の代表が、それぞれの活動と「こども政策」への意見を述べた。(一社)「子どもの声からはじめよう」代表理事の川瀬信一さんは、過去の児童の虐待死事件などを取り上げ、子供たちにはさまざまな抑圧要因があり、声を上げられない事情があるとして、しっかりと子供が声を上げやすい環境をつくり、その声を聞いていく重要性を強調。カナダで実践されている子供の権利を擁護・尊重する「アドボカシー」制度の導入を提案した。

 また、佐賀県で子供・若者支援に取り組む認定NPO法人「スチューデント・サポート・フェイス」代表理事の谷口仁史さんは、従来型の困りごと相談の窓口を設けるタイプの支援では、困難な状況に置かれた子供や家庭への支援はとても追い付かないと説明。自治体や民間団体が連携して、アウトリーチ支援にしっかり取り組むことが必要だと指摘した。

 有識者会議では、年末までに全ての臨時構成員からヒアリングを行い、「こども庁」創設に向けて、「こども政策」の基本理念や方向性を取りまとめる方針。

 初会合に先立ち、加藤勝信官房長官は記者会見で、「こども政策を総合的かつ包括的に推進するため、年末までに、政府一丸となって取り組んでいくための基本理念や新たな行政組織に関する基本方針を取りまとめることとしており、有識者会議に議論していただく」と述べた。

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