「いじめの重大事態など早期に適切対応を」 文科省が全国に要請

 昨年11月に東京都町田市の小学6年の女子児童が自死したことを巡り、学校側の対応に不適切な点があったと指摘されていることを受けて、文科省は9月21日、いじめの重大事態への早期の適切な対応などを求める事務連絡を、全国の都道府県教委などに出した。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、「いじめ防止対策推進法等に基づいた適切な対応がなされるよう、改めて周知する。事務連絡に基づき、各学校や自治体で一層取り組みを徹底してほしい」と述べた。

いじめへの適切な対応求める事務連絡について述べる萩生田文科相

 事務連絡では主に▽いじめの積極的な認知と早期の組織的な対応▽いじめ防止対策推進法等に基づく適切な重大事態対応▽いじめの未然防止――の3点について、改めて学校現場に周知するとともに、徹底するよう求めている。この中では、いじめの積極的な認知がいじめ対応の第一歩であり、初動対応が適切に行われなかったために重大な結果を招くことが起こり得ると受け止めて対応することや、いじめにより重大な被害が生じた疑いがあるときは、速やかに自治体に重大事態として報告する必要があること、さらにいじめを受けた児童生徒やその保護者の切実な思いを理解し、対応にあたることが重要だと強調している。

 いじめの重大事態の調査に関するガイドラインでは、自殺の原因にいじめの可能性があると分かった時点で重大事態と捉えるべきとされているが、町田市の自死を巡っては、学校が重大事態として市教委に報告したのは今年1月以降とされており、同省は市教委に検証を求めている。また、北海道旭川市で、行方不明だった中学2年の女子生徒が今年3月に公園で凍死しているのが見つかったことを巡っても、女子生徒が学校でいじめを受けていたとの報道があり、学校や市教委の対応の遅れが指摘されている。

 こうした事態を踏まえて萩生田文科相は会見で、「いじめの対応に不適切な点があったのではないかと報じられる事案が複数生じており、いじめ防止対策推進法等に基づく適切な対応が求められている」と強調。「これまでも行政説明会や研修会などの機会を通じて周知徹底を図ってきたが、いじめ防止対策推進法やガイドライン等にのっとった適切な対応が行われるよう、改めて取り組みの徹底を促したい」と述べた。

 また、町田市の女子児童の自死を巡っては、学校から児童に配布されたタブレット端末のチャット機能を使ったいじめが行われていたと指摘されており、萩生田文科相は「町田市教委からの事実確認によると、児童全員が同じパスワードを使用していたなど、不適切な利用がされていたと考えている。今後の状況報告も踏まえた上で、端末の安全な利用について全国の教育委員会に対し、改めてガイドラインやチェックリストなどの周知徹底を図るとともに、チャット機能などの適切な活用事例などの周知を行いたい」と述べ、今後、端末の利用についても改めて指導を進める姿勢を示した。

特集