23年度に高校で日本語指導を制度化 報告書案を大筋了承

 外国につながりのある高校生への日本語指導の課題を巡り、文科省の検討会議は9月22日、これまでの議論を踏まえ、高校で日本語指導のための「特別の教育課程」の設置を可能とする報告書案について大筋で合意した。文科省では今後、中教審での報告書案の審議を経て、今年度中に制度改正を行う方針で、2023年度からの運用開始を目指す。

 高校で日本語指導が必要な生徒は10年間で2.7倍に増加し、4172人に上っている一方で、小中学校で行われている取り出し授業などの「特別の教育課程」が高校では制度化されておらず、こうしたニーズに対しては、日本語に関する学校設定教科・科目を設置して対応していた。

高校における「特別の教育課程」での、日本語指導の制度の在り方

 報告書案では、日本語能力の個人差に対応したきめ細かな制度が必要だとし、高校でも「特別の教育課程」の編成・実施を可能とする制度を導入。生徒の日本語能力などに応じて、10~280単位時間を目安に、日本語指導の授業時数に充てることができるようにする。

 また、前回の議論を踏まえて、実際の指導の実施形態では、日本語指導の必要な生徒が多く在籍する高校を拠点校として位置付け、必要な人材を配置して近隣の高校から通級できるようにしたり、ICTを活用した遠隔での指導に対応したりすることや、都道府県教委などに対して、高校入試で外国人生徒を対象とした特別定員枠の設定や、問題文の漢字に振り仮名を付けるなどの配慮を行うこと、小学校から高校まで一貫して、外国人児童生徒の支援を行えるようなサポート体制の構築などを求めた。

 この日の会合では、報告書案の内容の一部修正などは座長一任とすることが了承された。今後、中教審初等中等教育分科会教育課程部会で、高校における「特別の教育課程」による日本語指導の制度化を審議し、それを受けて文科省で今年度中に必要な制度改正を行う。その後、制度導入の準備や指導資料の作成を踏まえ、23年度からの運用開始を予定している。

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