通信制高校見直しへ調査研究会議設置 不登校経験者支援も

 通信制高校を巡る状況が大きく様変わりする中、文科省は9月24日、実態を踏まえた教育方法や学習支援体制の在り方を検討するため、調査研究会議を設置することを明らかにした。9月28日に初会合を開く。現在の通信制課程の教育制度は、働きながら学ぶ青少年を前提としているが、不登校経験のある生徒の増加など実態に合わせて制度の見直しについて議論する。会議の設置期間は2023年3月までとし、通信制高校の質の確保・向上を目指す。

 文科省が設置する有識者会議は、「『令和の日本型学校教育』の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議」。大学教授や定時制・通信制高校の校長、若者支援の団体代表など12人がメンバーで、9月28日にオンラインによる初会合を開く。

 文科省によると、通信制課程の教育制度は勤労青少年を前提として導入されたものの、現在の広域通信制高校の生徒は3分の2が不登校経験のある16歳から18歳の未就業者で占められている。従来想定していた生徒像と異なり、「自学自習」が困難な生徒も多い実態も踏まえ、教育方法や学習支援体制の在り方について検討を進めたいとしている。

 さらに広域通信制高校が急増する中、一部で就学支援金の不正受給や単位の修得を巡る学習指導要領への違反といった不適切な学校運営が見られたのに加え、広域通信制高校が設置する「サテライト施設」が所轄する自治体の枠を超えて多数設置されていることから、「サテライト施設」の設置認可や監督の在り方についても大きな課題として議論することにしている。

 萩生田光一文科相は9月24日の閣議後会見で、「文科省としては、さまざまな背景から通信制高校に在籍する全ての生徒が適切な高校教育を受けられるよう、直面する課題の解決に向けた制度見直しの検討を行い、関係法令の改正を含めた必要な措置を講じたい」と述べた。

「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議の委員の顔ぶれ

青木栄一・東北大学教授
吾妻俊治・東海大学付属望星高等学校長
荒瀬克己・独立行政法人教職員支援機構理事長
岩本悠・一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事
大河原遼平・TMI総合法律事務所弁護士
篠原朋子・NHK学園高等学校長
時乗洋昭・山手学院中学校・高等学校長
原口瑞・神奈川県立横浜修悠館高等学校長
日永龍彦・山梨大学大学教育センター教授
光富祥・太平洋学園高等学校長
村松洋子・島根県立宍道高等学校長
森田裕介・早稲田大学人間科学学術院教授

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