都立高入試、男女別定員の見直しを決定 進路指導に配慮


 東京都教委は9月24日、定例会を開き、全日制普通科の都立高校入試で定めている男女別定員を見直し、段階的に男女合同定員に移行していく方針を決めた。来年2月に行われる2022(令和4)年度入学者選抜では、入学者の募集を行う全校109校で、男女別定員のうち10%を男女合同で決める緩和措置をとる。全面的に男女合同定員に移行する時期は、現段階では明らかにしていない。中学校の進路指導への影響を考慮しつつ、来年の入試の結果を分析した上で、早期の移行を目指す。

男女別定員を段階的に見直す方針が報告された東京都教委の2021(令和3)年第15回定例会

 東京都は全国で唯一、都立高校の全日制普通科の定員が男女別に定められている。全都立高校186校のうち、全日制普通科110校で男女別定員があるが、1998年度の入学者からは学校の意向を踏まえ、一部の学校で男女別定員のうち10%を男女合同で決める緩和措置を行っており、昨年度の入試では42校が実施した。

 今年度は中高一貫校での高校募集停止などにより、男女別定員を設ける全日制普通科で入学者を募集する高校は109校となり、この全校で10%の緩和措置を行う。その後は実施校の規模や緩和率を拡大するなど、段階的・計画的に男女合同定員への移行を検討する。

 9月21日には公立・私立高校の就学計画などを決める公私連絡協議会が開かれ、「都立高校は、まず、緩和実施校の規模や緩和率の拡大に取り組み、その結果を踏まえて、男女合同による入学者選抜への見直しを進めていく」とする方針で合意した。また「男女合同定員による入学者選抜の実施時期については、22(令和4)年度入学者選抜の結果の分析等を踏まえることとし、引き続き協議する」とした。

 24日に開かれた都教委の定例会では、藤田裕司教育長が段階的な移行の方針を説明。教委事務局からは▽男女別定員のうち男女合同で決定する割合10%を全校に拡大(第1段階)▽男女別定員のうち男女合同で決定する割合20%を全校に拡大(第2段階)▽男女合同定員に移行(第3段階)――という移行イメージが示された。

 また、今年度の入学者のデータを前提として、現時点で男女合同定員に移行した場合のシミュレーションを行ったところ、女子の合格者数が現状より約600人増加し、男子の合格者数が約600人減少することが示された。一方、これまで不合格となっていた生徒が、男女合同定員への移行によって合格となるケースは、学校により女子だけでなく男子にも起こっていることも明らかになった。

2021(令和3)年度の入学者選抜(第1次募集・分割前期募集)の合格人数などのデータに基づき、現時点で男女合同定員に移行した場合の影響のシミュレーション(出所:都教委)

 こうした大きな影響が想定されることから、都教委の担当者は「今後は男女共に、私立学校だけでなく都立高校の中でも志望先を変えるなどの動きが想定される」と話し、中学校で丁寧な進路指導が行われるよう、学校現場と連携して進学機会を確保していく考えを示した。

 都教委の北村友人委員(東京大学大学院教授)は「学校現場で進路指導をする上で、急激な変更は非常に大きな混乱をもたらす。どういう形でソフトランディングするかは難しいが、できるだけ入試に関する情報をオープンにして、余計な猜疑心(さいぎしん)を生まないようにすることが大切だ」と指摘した。

 萩生田光一文科相は9月24日の閣議後会見で「高校入試の実施方法等は、募集定員をどのように設定するかも含め、各都道府県教育委員会などの判断で決定するもの。今後とも、受験生やその保護者の思いも踏まえつつ、関係者とも協議の上、適切なご対応をいただきたい」とコメントした。

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