特別支援学校に初の設置基準を制定 自治体に計画策定促す

 特別支援学校で慢性的な教室不足が続いている中、文科省は9月24日、必要な施設や校舎の面積などの最低基準を定めた特別支援学校の設置基準を公布した。同省は2000年度から都道府県に教師不足の解消に向けた計画づくりを求めているが、対応が進まない自治体あり、同省は特別支援学校の教育環境の改善に向けて、改めて計画の策定などを急ぐよう促すことにしている。特別支援学校に設置基準を制定するのは、今回が初めて。

 特別支援学校の設置基準は、在籍者数の増加で慢性的な教室不足が続く中、特別支援教育の在り方について検討した有識者会議の報告書などを踏まえて制定された。▽視覚▽聴覚▽知的▽肢体不自由▽病弱――の5つの障害種ごとに、小学部・中学部や高等部に分けて校舎面積の算定式が定められたほか、普通教室・特別教室以外に、自立活動室、図書室、保健室、職員室、体育館を備えることも明記した。新たな設置基準は22年度から段階的に施行される。

 同省によると、児童生徒数の増加などのため、教室に間仕切りを設けたり、特別教室を転用したりしている特別支援学校も多く、2019年5月1日時点で、全国の特別支援学校で3162教室が不足することが明らかとなっている。この結果を踏まえて、同省は20年度から24年度の5年間を集中的取組期間として、既存施設の改修事業に対して、国庫補助率を3分の1から2分の1に引き上げるとともに、20年1月には各都道府県に教室不足解消に向けた計画を策定するよう求める通知を出した。

 しかし、今年6月現在、具体的な計画を策定した自治体は33都道府県にとどまっているほか、国の設置基準の策定を待って対応を検討しようとする自治体もあるという。こうした中、同省は今年5月に設置基準案を公表。パブリックコメントを経て基準の一部や文言を修正した上で、設置基準を公布した。同省は、改めて教室不足解消に向けた計画づくりなどを急ぐよう、都道府県に要請することにしている。

 萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、「設置基準は、特別支援学校の設置のために必要な最低限の基準とするとともに、地域の実態に応じた適切な対応が可能となるよう弾力的かつ対抗的な規定とすることを基本方針としている。教室不足の解消に向けて集中的に取り組むため、自治体による計画の策定を促していきたい」と述べた。

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