中学生に裁判傍聴の機会を 法律学科の学生が署名活動

 全ての中学校で裁判を傍聴する機会を設けることを求め、法律を学ぶ学生がインターネットで署名活動を行っている。活動をしているのは中央大学法学部法律学科1年生の真栄田早希さん。「中学生のうちに実際の裁判を傍聴し、ディスカッションすることで、多面的なものの見方を知ってもらえれば」と学校現場に呼び掛ける。

中学生に裁判傍聴の機会を設けることを提案するネット署名活動

 真栄田さんは中学3年生のころ、社会科の夏休みの宿題で、東京地裁で行われていた刑事裁判を傍聴し、レポートにまとめたことがある。その学習を通じて、司法は善悪などを単純に割り切れるものではなく、事件の背景にはさまざまな社会問題が隠れていること、ニュースやネットでは、事件や事故が起きると人の感情に訴えようとしがちで、建設的な議論に発展しにくいことなどを考えるようになったという。

 大学で法律学を学び始めた真栄田さんは、少しでも多くの人に社会で起きている事件や事故を自分事として考えてもらえる機会をつくりたいと思うようになり、中学校での裁判の傍聴体験が、その問題意識の出発点となっていることに気付いた。

署名活動を始めた真栄田さん(Zoomで取材)

 「加害者や被害者が記号ではなく一人の人間であることを知り、社会の問題を自分事として捉えてほしい」。そうした思いから始めたこの署名では、具体策として、夏休みなどに中学生が都道府県ごとにある地方裁判所で刑事事件を傍聴すること、事後の学習などではクラスメートとディスカッションをし、自分の考えを深めていくことなどを提案。たった一人で始めた署名は、9月28日の時点で134人の賛同が寄せられており、真栄田さんは教員向けに裁判傍聴の指導をする際の注意点などをまとめたテキストも作成したいと意気込む。

 「署名を通じて、裁判傍聴を授業に取り入れてみようと考える学校が増えてほしい。傍聴しただけで終わりではなく、事前事後の学習でディスカッションをしながら、多面的なものの見方や考えを深めてもらうことが大切だ。学校現場で行われている模擬裁判と違い、実際の裁判では当事者の顔が見えることが大きい」と真栄田さん。将来は裁判官として司法に直接携わりながら、学校の法教育にも関わりたいと話す。

 署名についての内容はChange.orgの特設ページから確認できる。

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