私大全体の入学者数が初の定員割れ 少子化などで受験者数減少

 今年春の「2021年度私立大学・短期大学等入学志願動向」が9月28日、公表され、全国の私立大学597校の入学定員に対する入学者数は99.8%に止まり、初めて定員割れとなったことが分かった。大学の新設で定員全体が微増したのに対し、少子化などで受験者数が51万人余り減少したことなどが影響したとみられる。調査結果をまとめた日本私立学校振興・共済事業団は「18歳人口の減少で入学者数の減少は予想していた。今後も減少傾向は続くので、大学は地元の企業や高校生から評価されないと、学生の確保に苦慮するのではないか」と話している。

 調査結果によると、私立大学597校全体の入学定員は新設校もあったことから49万5162人と、前年度から4150人(0.8%)増えた一方、のべ受験者数は366万3962人で51万841人(12.2%)減少した。実際の入学者数は全体で49万4213人にとどまり、前年度より9617人(1.9%)減少し、この結果、私立大学全体の入学定員充足率は前年度から2.8ポイント下がって99.8%となり、現在の形で調査を始めた1999年以来、初めて定員割れとなった。

 実際に定員割れとなった大学は277校で、全体の46.4%だった。地域別では、首都圏と愛知県、近畿圏の三大都市圏の大学を合わせた入学定員充足率は100.6%(前年度比1.8ポイント減)と定員を超えたが、その他の地域では97.3%(同6.2ポイント減)となり、三大都市圏とその他の地域で充足率が逆転した。

 さらに学部系統別で見ると、「医学」(100.2%)、「理・工学系」(100.9%)、「社会科学系」(101.6%)、「体育学」(101.3%)、「芸術系」(104.8%)で入学者数が定員を超えたのに対し、「歯学」(75.8%)、「農学系」(96.4%)、「教育学」(94.4%)などで定員割れとなった。

 一方、短大では286校で入学定員5万2242人(前年度比2.7%減)に対して受験者数はのべ5万8331人(同14.0%減)で、入学者数は4万3132人(同8.0%減)となり、入学定員充足率は82.6%(同4.8ポイント減)だった。

 私立大学全体で初めて入学者数が定員割れとなったことについて、調査結果をまとめた「日本私立学校振興・共済事業団」の担当者は「18歳人口は前年度から2万6000人余り減少しているので、入学者数の減少は予想していた。さらにコロナ禍で外国人の入学者が減ったことや、入試改革の年と重なって浪人生が比較的少なかったことが影響した可能性も考えられる。今後も18歳人口は減少が続くので、地方を中心に地元企業や高校生から評価される大学でないと、学生の確保は苦慮することが考えられる」と話している。

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