免許状更新講習の必修・選択区分を来年度廃止へ 文科省

 中教審で発展的解消の方針が示されている教員免許更新制について、文科省は9月28日、新制度に移行するまでの経過措置として、教員本人のニーズに合った講習を受けやすくする方策を講じると発表した。講習の時間数(30時間以上)に変更はないが、来年度から現状の「必修」「選択必修」「選択」の区分を撤廃するほか、今年度中に講習の情報を検索しやすい情報提供サイトを立ち上げる。一方、講習費用の補助は予定していない。

教員免許更新制について、新制度に移行するまでの経過措置について説明する萩生田文科相

 現状の免許状更新講習では、全30時間以上のうち必修領域で6時間以上、選択必修領域で6時間以上、選択領域で18時間以上の講習を受講・修了することが定められている。文科省は今年度中の早い段階で、この区分と時間数を定めた免許状更新講習規則の改正を進め、来年度から教員本人のニーズに合わせた講習を選択できるようにする。

 中教審の「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会の審議まとめでは、「教師自身が、全教員に共通に求められる基本的な知識技能というレベルを超えて、新たな領域の専門性を身に付けるなど強みを伸ばすことが必要であり、教師一人一人の個別最適な学びが求められるようになってきている」とされている。

 こうした指摘を踏まえ、文科省の担当官は今回の改正について「それぞれの強み、特色、ニーズに合った学び、より高度な学びを後押しするもので、免許状更新講習の30時間を専門性の向上にあてやすくなる」と説明する。

 併せて、目的の講習を探しやすくするため、今年度中に教職員支援機構が中心となり、一元的な情報提供サイトを立ち上げる。これまでも文科省のウェブサイトなどで免許状更新講習の認定一覧を紹介しているが、「テーマ別などの検索がしにくい状況」(文科省の担当官)となっていた。

 そのため新たな情報提供サイトでは、地域別・テーマ別など教員のニーズに応じた検索をしやすくするほか、全国の大学から評判のよいオンデマンド講習を募り、同サイトで重点的に紹介するなどの方針を検討している。

 一方、受講料などの経費については従来通り教員個人の負担とし、補助などは行わない方針。萩生田光一文科相は28日の閣議後会見で、その理由について「ただ単に免許の書き換えの手数料で(一般的な講習費用の額である)3万円を支払うのは負担感があるが、講習は教員の皆さんの血となり肉となるものだ」と述べ、講習を受ける教員が受益者として負担する原則を崩さなかった。

 ただ「問題はその自分が受けたくない講習を受けてでもコマ数を積み上げないと、更新時期に間に合わないという人たちにとっては、ものすごく負担感と『無駄だな』という思いがあったのだと思うので、そういうことは是正をしていきたい」として、オンデマンド講習やオンライン講習など、時間や場所を問わず、廉価で受けられる講習を拡充する考えを示した。

 その上で「(教員に)不断の研修が必要であることには変わりがない。研修の中身はブラッシュアップして、受けてよかったな、教員を続けていく上ですごくヒントになったな、と思ってもらえるような中身のものを充実させていくことが必要だ」と指摘した。

 さらに今回の教員免許更新制の発展的解消について、「単なる廃止ではなく、不断の研修をしながら生涯、教員を目指してもらうという、ワンランク上の広壮な思いでこの制度を見直すことにした。新しい制度の中でよりよい講習をしっかりしていただき、ぜひ生涯、教員として頑張っていただくプライドを持ち続けてほしいと期待している」と呼び掛けた。

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