外国人学校に職員派遣し追加調査へ 文科省有識者会議

 外国人学校などの保健衛生環境の在り方を検討している、文科省の有識者会議(座長・佐藤郡衛明治大学国際日本学部特任教授)の第5回会合が9月29日、開かれ、同省は外国人学校での養護教諭の勤務状況などより詳しい実態を調べるため、一部の学校に職員を派遣して追加調査を実施することを明らかにした。今春に行った調査では回答が半数にとどまった上、対応に当たるスタッフの勤務実態まで把握できなかったことから、改めて踏み込んだ調査を行うことを決めた。調査結果は早ければ来月の次回会合で報告する。

オンラインで行われた有識者会議の佐藤郡衛座長

 同省は今年4月から5月にかけて、初めて全国161校の外国人学校を対象にした実態調査を実施。各施設の保健衛生環境や新型コロナ対策の取り組み状況などをまとめた。この結果、養護教諭の配置が28校(回答校の35%)にとどまっていることなどが分かったが、配置された養護教諭の具体的な勤務実態まで把握できなかったことや、調査の回答率が50%にとどまり、特に条件が厳しいとみられる認可外施設では22%と低かったため、委員の間から、未回答の施設への支援を考える上でもさらなる調査が必要だとの声が上がっていた。

 こうした声を踏まえて文科省は29日の会合で、今春の調査に未回答の施設などを中心に、より詳しい追加調査を実施することを明らかにした。調査対象施設を絞って職員を派遣し、施設を視察するとともに、保健衛生環境基準に対する考え方や養護教諭などの勤務状況、地元自治体との連携の状況などについてヒアリングを行う。同時に自治体や施設をサポートする支援団体にも聞き取りを行い、外国人学校と自治体の連携の在り方を探る上で参考にする。早急に調査対象施設や調査項目を絞り込んで調査を実施し、早ければ来月下旬の次回会合で結果を報告したいとしている。

 また、同日の会合では、前回までにまとめた「中間取りまとめ」を踏まえた、来年度予算の概算要求に盛り込んだ外国人学校を支援する事業の内容についても説明した。この中で担当者は、①外国人学校への情報発信機能と相談機能を併せ持つ全国的な窓口「外国人学校プラットフォーム」の設置②地方自治体が主体となって認可外施設も含めた外国人学校の実態を把握した上で、対策について調査研究する――の2つを、主な事業として予算化を目指していると述べた。 

 これに対して委員からは「情報発信することはいいことだが、それだけではなく、情報を受け取る側の視点も取り入れて、一緒に取り組むような運用を考えてほしい」と要望する声が上がった。

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