スポーツ基本計画の改訂に着手 コロナ禍で価値を再確認 

 スポーツ基本法の理念を体現する今後5年間の具体的なスポーツ施策の方向性をまとめる「スポーツ基本計画」について、スポーツ庁は9月28日、スポーツ審議会スポーツ基本計画部会の第6回会合をオンラインで開き、2022年度からの第3期基本計画の策定に向けた議論に着手した。今後、複数回に分けて、コロナ禍やオリンピック・パラリンピック東京大会で再評価されたスポーツの価値を踏まえ、障害者を含めたスポーツによる共生社会の実現や、部活動改革をはじめとする子どものスポーツ機会の充実、スポーツを通じた地域活性化などが話し合われる。

第3期スポーツ基本計画の策定に着手した部会会合(YouTubeで取材)

 この日の会合では、スポーツ庁から第3期基本計画の基本的な考え方の方向性案が、スポーツ審議会健康スポーツ部会から第3期基本計画の改訂に関する提言がそれぞれ示され、理念や総論について委員の間で共通理解を図った上で、障害者、女性、子ども、高齢者などの多様な主体によるスポーツ実施の促進について、意見が交わされた。

 方向性案では、コロナ禍によって日々の生活からスポーツが失われたり、制限されたりしたことで、心身の健康保持への悪影響や、子どもたちの部活動における日頃の成果発表の機会喪失などにつながったと指摘。そうした中でも、コロナ禍で1年延期した上で開催されたオリンピック・パラリンピック東京大会は、スポーツが持つ人の心を動かす力や楽しさを再確認し、共生社会への意識を高めることにつながるなど、スポーツの価値を再確認することになったとし、第3期基本計画では、既存の手法や考え方にとらわれず、個々の状況に合わせたスポーツの参画・実施方法を創造し、取り入れていく発想や視点など、新たな軸を打ち出す必要性を提案した。

 また、健康スポーツ部会の提言では、目標設定として、成人の週1回のスポーツ実施率を第2期基本計画で掲げた65%程度から70%程度に引き上げることや、障害者のスポーツに関する新たな指標を追加することなどを求めるとともに、子どものスポーツ実施率の二極化や体力低下、家庭の状況がスポーツ環境に及ぼす影響などを踏まえ、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、学童保育などにおけるスポーツ環境の整備を進めるべきだとした。

 これらを踏まえ、出席した委員からは「いろいろな職種の方がいてスポーツが成り立っている。そういう部分をもう少し提言に盛り込んでもよい」「学童期の運動の大切さをもう少し強調すべきだ」「子どものスポーツ教育で、睡眠や栄養は大事な要素だ。こうした観点も論点として見えていくとイメージがしやすい」などの意見が出た。
 

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