ひきこもり支援へ「官民一体の連携促進」通知へ 府省横断会議

 ひきこもり支援について検討する関係府省の担当者による会議が9月30日開かれ、支援の方向性を示した取りまとめ案が了承された。ひきこもりに陥りがちな就職氷河期世代を支援するため全市町村で設置を進めている「市町村プラットフォーム」の活用や、福祉関係機関を中心に教育、就労支援、子ども若者支援など官民の枠を超えた幅広い連携を促す内容で、厚労省は近く全都道府県や教育機関などに通知を出す方針。

オンラインも併用して開かれたひきこもり支援の関係府省横断会議

 この「ひきこもり支援に関する関係府省横断会議」(主査・こやり隆史厚労大臣政務官)は、引きこもり状態の当事者やその家族への支援策を、省庁の垣根を超えて検討するために設置された。厚労省や文科省など関係府省の担当者が参加し、3回にわたって議論を重ね、同日、取りまとめ案が示された。

 この中では、ひきこもり状態にある人は内閣府調査で、15歳から64歳までで110万人以上に達していると推計される中、個々の当事者の状況に応じた寄り添った支援が必要だとして、都道府県や市町村の保健福祉部局を中心に官民の枠を超えた幅広い機関・団体の連携の必要性を強調している。

 その上で具体的な支援の取り組みとして、国が就職氷河期世代の支援のために各市町村に設置を呼び掛けている「市町村プラットフォーム」を活用して、民間企業やNPO法人なども参画した形で引きこもり支援に当たるよう要請することを盛り込んだ。「市町村プラットフォーム」は今年3月現在、全国の自治体の3分の1弱に当たる589市町村で設置されており、改めて今年度内の設置を呼び掛ける。

 また、福祉関係機関を中心にあらゆる機関との連携の必要性も打ち出した。ひきこもり状態になったきっかけの1割が学校の不登校だったとの内閣府の調査を踏まえて、教育機関と連携した不登校児童生徒の社会的自立への適切な支援を求めるのをはじめ、就労支援や子ども・若者支援に当たる関係機関との連携も求める。農業の担い手不足に悩む自治体がひきこもり支援と関連付けた対策を進めている先進事例もあり、農業や企業の事業主などへも協力を呼び掛けるよう求める。

 会議の中で取りまとめ案は了承され、最後に主査を務めるこやり厚労大臣政務官は「ひきこもり支援の施策は、ひきこもり状態にある方や家族の一人一人の状況に寄り添って、コツコツと積み上げていく分野だ。新しいものを生み出すだけでなく、既存の施策を組み合わせていくのを考えることが一番大事だと思う。引き続き関係府省が有機的に連携しながら、ひきこもり支援に取り組み、強化したい」と述べた。

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