少子化担当相に野田氏 「こども庁」設置へ中心的役割か

10月4日に発足した岸田内閣で、少子化担当相に野田聖子・前自民党幹事長代行が就任した。野田少子化担当相は自民党総裁選の討論会などで「こども庁」の設置に強い意欲を示し、「人口減少は国家の危機であり、少子化対策に最重要課題として取り組むべきだ」と訴え続けてきた。すでに政府では「こども庁」設置に向けた検討チームや有識者会議が発足しており、野田少子化担当相は、新しい内閣で「こども庁」設置の中心的な役割を担うとみられる。

自民党総裁選で子供政策を中心に訴えた野田氏(9月17日、自民党Youtubeチャンネルより)

少子化担当相に就任した野田氏は、衆院岐阜1区選出。岐阜県議を経て1993年の衆院選で初当選し、現在9期目。小渕内閣で旧郵政相を務めたのをはじめ、消費者行政担当相や総務相などを歴任し、昨年9月からは党幹事長代行を務めていた。

今回の自民党総裁選の候補者討論会などでは、2005年から子供政策を担当する行政機関の必要性を訴え続けてきたと述べ、「人口減少は国家の危機と受け止め、国家の戦略として少子化対策に最優先に取り組むべきだ」と強調していた。「こども庁」については、「『こどもまんなか』を成長戦略に位置付けて子供支援の司令塔として『こども庁』を設置し、教育、保育、貧困問題解消など子供への投資を積極的に行い、日本を将来性のある国に変えていくべきだ」と語っていた。

いわゆる「こども庁」創設に向けては、政府の「骨太の方針」を受けて、内閣官房に「こども政策推進体制検討チーム」が発足し、先月には関係する省庁の審議会の座長を集めた有識者会議が発足した。今後、野田少子化担当相がこうした動きを推進する中心的役割を担うとみられる。
教育新聞が自民党総裁選の際、各候補者に対して行ったアンケートに対する、野田少子化担当相の回答の全文は次の通り。

【教育改革について】
私が最も重要と考えている政策は、「こどもまんなか」です。教育改革、教育投資こそ、日本の持続的成長の切り札だと考えております。

そのうえで、教育改革を進めるうえで、大切にしなければならないのは「多様性」です。子どもの状況はさまざまですが、それを一つのレールにはめ込むような「明治型·昭和型」の教育から、子ども一人一人の多様性を大切にし、良い部分を見つけて伸ばす、課題となる部分はみんなでカバーする、という教育の形に改革します。具体的には、クラス編制の人数を都道府県や市町村の考え方に沿って自由化します。子どもによっては少人数で教師の目の届く教育が必要な子もいれば、大人数でもいいので子ども同士が刺激しあいながら、熱血教師による教育が向いている子どももいます。さらに、根本的な課題として、学校に多様な人材が不足しています。今回措置する 35人学級の財源を活用して、学校や地域によっては「スクールソーシャルワーカーを1 校に1人とする」など、柔軟に選択できるようにします。日本全部が同じ 35 人学級ではなく、地域ごと、学校ごとの多様性と、多様な学校経営理念の実現を支援します。

ほかにも、教育改革や教育投資については、やりたいことがいっぱいあります。子どもは私たちの夢、わたしたちの希望です。教育費を「現在の費用」として捉えるのではなく、「未来への投資」と考えて、思い切って予算を投入します。

【少子化、子育て支援について】
少子化とそれに伴う人口減少は、わが国にとって最大の危機です。それに立ち向かうためには、子育て支援を政策の柱にして、「こどもまんなか」で全政策を作り替えるつもりで、見直しを進めます。

具体的には、若い世代から「多様な働き方」を形にします。就職して、会社に缶詰めになっていては出会いもありません。これからの日本は、全業種について副業を認め、二つ目の自分、新しい自分を探す中で、出会いを増やし、結婚を増やします。そして、結婚そのものの数を増やします。夫婦の名字の在り方を選択できるようにし、結婚に際しての悩みを減らします。若い世代の所得も増やします。最低貿金は当面 1500円を目標とし、若い世代の課税負担も減らします。「妊娠した全ての妊婦」に、妊娠時から相談や訪問を重ね、徹底して支援します。出産·育児の休暇は男女ともに増やし、100%の所得補償を行います。一人目出産時の負担を減らすことが、二人目、三人目に至るうえで最も重要なことですので、これらは政府が徹底して行うこととします。

また、障害のある子ども、小さく産まれた子どもの支援はさらに手厚くします。保育園から大学卒業まで、特別支援の体制を大幅に強化し、学ぶ環境から食事、登下校にいたるまで、生活面での安心を守ることで、健常児以上に注意深くその子一人一人の能力を見つけ、伸ばす体制を作ります。家庭に困難を抱える子供の支援も徹底します。ヤングケアラーの支援、家庭だけでは息が詰まってしまう子どもの居場所づくりを徹底して行います。

わが国が先進国として、どれだけの品格を備えているかは、障害のある子どもや困難を抱える子供の支援のレベルで分かるものだと考えています。日本のプライドにかけて、こうした子どもたちの文援を徹底し、国民全員がわが国の教育に誇りを持てるよう、先頭に立って頑張ります。

【「こども庁」の新設について】
わが国が全力を挙げて取り組まなければならない「少子化対策」「人口増加」「出産支援」「子育て支援」「教育改革」「障害のある子ども、家庭に困難を抱える子どもの支援」などの政策を一元化し、先頭に立って政策立案から自治体との連携にあたるのが、まさに「こども庁」です。 私が総理大臣に就任したらすぐに設置を指示し、大臣を置き、必要な法改正に着手します。

こども庁には、子どもへの愛情に満ち、将来の日本を「元気で多様性のある子どもたちでいっぱいにする」という使命感をもって仕事にあたってくれる優秀な人材を集中させます。都道府県や市町村との人材交流も盛んにし、国·都道府県·市町村が同じ思いになって子どもたちの「育ち·学び·笑顔」を応援する体制を整備します。

あなたへのお薦め

 
特集