主体的な教師の学びの姿とは 教師教育学会が公開シンポ

 発展的な解消の方向性が示された教員免許更新制をはじめとするこれからの教員養成・研修を巡り、日本教師教育学会は10月2日、第31回研究大会のプログラムとして「教育者の資質・能力と力量を考える~教育現場と教師教育研究との間~」というテーマの公開シンポジウムをオンラインで開いた。9月に取りまとめられた中教審の教員免許更新制小委員会の審議まとめ案などを基に、教師の主体的な学びの姿について検討した。

教員免許更新制小委員会での議論を紹介する荒瀬理事長(Zoomで取材)

 シンポジウムに登壇した荒瀬克己・教職員支援機構理事長は、中教審の教員免許更新制小委員会などでの議論のポイントを踏まえ、9月に示された審議まとめ案でうたわれた教師の学びとは「内容の多様性と、自らの日々の経験や他者から学ぶといった『現場の体験』も含む学びのスタイルの多様性を重視している。教師の個別最適な学び、協働的な学びの充実を通じて『主体的・対話的で深い学び』を実現することは、児童生徒のみならず教師の学びにもまた求められている」と強調。教職員支援機構として、こうした教師の学びをデザインしたり促したりしていくプロデューサーやファシリテーターの育成が必要だとの認識を示した。

 これに対して、安藤知子・上越教育大学教授は、審議まとめ案でイメージされている教師の学びの姿には、職能発達の視点が欠落しているのではないかと指摘。教師はそれぞれの学校現場で、その状況に合わせた実践をしながら成長している側面もあるとし、「教師が自らの経験を基に同僚と交流し、さまざまなコンテンツの学習機会を利用しながら経験そのものの捉え方を変容させる中で、職能発達へと向かっていくような学びの姿を目指すべきだ」と話した。

 また、教育方法学が専門の渡辺貴裕・東京学芸大学准教授は、教員養成に関わる大学の教員が、理論と学校現場の実践を絡めて捉えられていないのではないかと批判。渡辺准教授自身が教員研修などで取り入れている「対話型模擬授業」の様子を紹介しながら、「学びを変えるなら教師の学びも変えなければならない。研究授業の事後研修では、子どもがやっていた学習活動を教師も体験することで、見えてくるものがある。自分でやってみると言葉にならない気付きがある」と話し、教師教育者の意識変革を求めた。

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