学校現場「見る力つけたい」 末松文科相、初会見で抱負

 末松信介文科相は10月5日の閣議終了後、初めての記者会見に臨み、「岸田文雄首相の指示を踏まえ、現状の課題をしっかりと把握した上でやっていく」として、「ICTを活用した個別最適な学びの実現、そして新型コロナウイルスの感染症対策と子供たちの健やかな学びの両立」に取り組む意欲を示した。こうした政策を進めるには「現場に赴いて、子供たちや教師の姿を見て内容を聞けるような立場に身を置くことが大事だ」と述べ、岸田首相が特技として強調している「聞く力」を引用しながら、「自分は『見る力』をつけたい」と抱負を語った。

初会見に先立ち、写真撮影に応じる末松文科相

 末松文科相はまず「文科省が担当する行政分野は、いずれもわが国の未来を切り開く重要な分野。子供はやっぱり国の宝、そして国の礎であると思う」と切り出した。次に、今後取り組むテーマとして、ICTを活用した個別最適な学びの実現、新型コロナウイルスの感染症対策と子供たちの健やかな学びの両立に加え、▽GIGAスクール構想や発達段階に応じたオンライン教育の推進▽子育て世代への教育費の支援強化▽子供の貧困対策▽日本が誇る伝統文化・芸術の国際展開▽科学技術立国のために産官学連携による最先端の科学技術、イノベーションへの投資の拡大▽スポーツ立国の実現--を列挙した。

 その上で「なによりも大事なのは、現場に出ていって、この政策はこういうものである、と目で見ていくことだ。子供たちの姿、教師の姿を見て、内容を少しでも聞けるような立場に自分の身を置いていくことが大事だと信じている。総理が『聞く力』というのだったら、自分は少しでも時間があれば『見る力』をつけたい」と語った。

 コロナ対策と学びの保障については「第6波は大変気に掛けなければいけないと思っている。今収束しつつあると言っても、年内にどうなるか、みんな不安を持っているので、しっかりと対処していかなければならない」とした上で、「学校は、学習機会を提供するだけではなく、(子供たちの)全人的な発達や成長を保障する役割等もある。各自治体において、地域一斉の学校臨時休業は、慎重な判断で臨むべきであると考えている」と述べ、地域一斉の臨時休校には慎重に考えるべきだという、これまでの文科省の姿勢を堅持する考えを示した。

 教員免許更新制の廃止について、萩生田光一前文科相が来年の通常国会で必要な法改正を行い、再来年から新たな教員研修制度に移行させる方針を示していたことについては、「私は、萩生田大臣と考え方を一(いつ)にしている。法案は、来年の通常国会に提出されると思うが、与党内においても、野党内においても、基本的に同じ方向を向いているのではないか」と述べ、これまでの方針を踏襲する考えを確認した。

初会見で抱負を語る末松文科相

 末松文科相は、27歳で兵庫県議に初当選。県議6期を経て、現在は参院議員として3期を務めている。国土交通省、内閣府、復興庁の副大臣や参議院自民党国会対策委員長を歴任し、与野党に幅広い人脈を持つとされるが、文教政策との関わりはあまりない。このため、岸田首相から電話で文科相への就任を依頼されたときには「率直に申し上げて、驚いた」と明かした。

 「電話いただいたときに、『私、末松信介ですよ。文部科学大臣ですか』と、もう一度確認した。(岸田首相は)『その通りです。あなたにしっかりやっていただきたいと思っております』とおっしゃった。感激した」と、やりとりを説明した。

 こうした経緯もあって、この日の会見では、答えを留保する場面もあった。記者が校則見直しの姿勢をただしたのに対し、末松文科相は「昨日、就任したばかり。校則については、前任の萩生田大臣からも引き継ぎを受けていない。私自身、頭の中を整理して、また機会があろうかと思うので、今日のところはご意見としていただきたい」と述べ、十分に把握していない事柄を無理に答えるような姿勢は見せなかった。

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