裁判員に選ばれる年齢が18歳以上に 裁判員ネットが指摘

 国民の中から選ばれた裁判員が、刑事裁判に参加する裁判員制度。2023年以降、この裁判員に選ばれる国民の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる。裁判員制度について情報発信を行う「裁判員ネット」はこのほど、都内で記者会見を開き、法改正が行われたことが十分に周知されていないとして、18歳や19歳が刑事裁判に参加することについての国民的な議論と、高校などでの法教育の充実を呼び掛けた。

 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)では、裁判員は衆院の選挙権を持っている人の中から選任することとなっているが、公職選挙法の附則には裁判員法の適用の特例が設けられ、18歳以上20歳未満の人については、当分の間、裁判員候補者名簿から削除することが定められていた。

 ところが、今年5月に成立した「少年法等の一部を改正する法律案」の附則には、この公職選挙法の附則を削除することも盛り込まれており、この法律が施行される22年4月1日以降、衆院選の選挙権を持っている満18歳以上であれば裁判員になる可能性が生じることとなった。

 最高裁によると、22年に使用される裁判員候補者名簿は今秋あたりに作成されるため、18歳以上の人が実際に名簿に記載されるのは23年からになるという。また、学生の場合は学業を理由に裁判員を辞退することができ、名簿を作成する段階で18歳だった人が裁判員に選ばれるのは、翌年の1月以降となるため、高校3年生で裁判員候補者名簿に名前が載り、高校在学中に裁判員に選出されるのは極めてまれなケースと考えられる。

 しかしながら、裁判員ネットでは、国民的な議論がほとんどないままに法改正が行われたことを問題視。裁判員に選任される年齢が18歳以上に引き下げられたことで、法教育の役割がより増してきていると指摘している。

 裁判員ネット代表理事の大城聡弁護士は「裁判員制度に関する法教育では、知識だけではなく、主体的に裁判員として参加するために、法廷傍聴や模擬評議などの体験学習が大切で効果的だ。高校などの教育現場では、裁判員制度に関する法教育の機会を増やしてほしい。何らかの形でそのお手伝いもできれば」と話している。

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