中高の「パソコン部」を企業が支援 経産省で検討会発足

 新学習指導要領で小学校から高校までプログラミング教育が必修となったことを受け、産業界が協力してデジタル人材の育成につなげようと、経産省は10月5日、「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」の初会合をオンラインで開いた。いわゆる「パソコン部」をはじめとする、情報技術の活用を主な目的とした部活動について、民間企業が指導者となる人材を派遣するなどして支援するスキームを立ち上げる。

産業界によるデジタル関連の部活動支援スキームのイメージ(検討会資料より)

 来年度から移行する高校の新学習指導要領では、「情報Ⅰ」が共通必履修科目として新設され、これにより、教育課程上では小学校から高校まで一貫してプログラミング教育を学ぶことになる。一方、産業界では現在、デジタル人材の不足が深刻な課題となっており、中高生が所属しているデジタル関連の部活動を支援することで、早い段階からのデジタル人材育成を行うという狙いがある。

 スポーツ庁が集計した2017年度の「運動部活動等に関する実態調査報告書」を基に、経産省が試算したところ、全国でデジタル関連の部活動を設置しているのは、中学校で1400校、高校で1613校に上る。また、同省が教員などに行ったヒアリングでは、活動が個人中心なので部員のモチベーションが上がらないことや、顧問の教員が生徒の多様な活動ニーズに応じることができないなどの課題が寄せられたという。

 検討会では、デジタル関連の部活動を支援する役割や、産業界が持続的に支援する仕組み、大会やコンテストの開催など、部員のモチベーションを維持・向上するための目標設定、女子生徒の参加が少ない現状を踏まえたジェンダーバランスの確保などを検討。各論点に応じて4つのワーキンググループを設置して、具体的な議論を行う。

 特に産業界が支援する仕組みとしては、経産省で「デジタル関連部活支援運営事務局」を設け、デジタル関連の部活動を持っている学校とIT企業などがそこに登録。学校側のニーズに応じて、企業から指導者の派遣や機材・教材の提供、教員研修などを行うことを想定している。

 座長の鹿野利春・京都精華大学教授(元文科省教科調査官)は「中高では、授業と部活動は非常に重要なウエートを占めている。授業は学習指導要領に基づくが、部活動は学校だけでなく、産業界などのいろいろな援助を受けていく必要がある。学校もその態勢を整えていかなければならない」と強調。スピード感を持って、デジタル関連の部活動を支援する体制を構築していく考えを示した。

 検討会では、WGの議論などを踏まえ、今年中に中間提言を、今年度中に最終提言を取りまとめる方針。委員は青野慶久・サイボウズ代表取締役、中島さち子steAm・代表取締役CEO、利根川裕太・みんなのコード代表理事、福原利信・東京都立田園調布高校校長(全国高等学校情報教育研究会会長)ら計17人で、デジタル庁や総務省、文科省などもオブザーバーとして参加する。

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