学校外で基礎学力の定着を 岡山県津山市教委などが実証事業

 東京学芸大学と岡山県津山市教委はこのほど、オンラインで会見を開き、「10年後の『未来の学校づくり』」をテーマに進める連携事業の実証成果を発表した。学校外で児童生徒の基礎学力の定着を図る手法を探る狙いで、夏休み期間、オンラインを活用して同学の学生が同市の中学生の自主学習をサポートする取り組みに挑んだ。

 実証事業では、モデル校である津山市立津山西中学校の3年生10人を対象に、7月から8月にかけて全5回のプログラムを実施。同学の学生1人に対し生徒2人のチームを作り、Zoomのブレイクアウトルームで学習した。

 学習アプリ「モノグサ」を活用し、数学の平方根の単元に取り組んだ。指導する学生は、生徒の回答をリアルタイムで閲覧しながら、解き方を解説したり、質問に答えたりなど学習をサポートした。

オンライン会見で登壇した東京学芸大学の松田副学長

 同市教委によると、10人中8人の生徒が最終回のテストで初回のテストよりもスコアを伸ばした。また、生徒からは「説明が分かりやすかった。1つずつ丁寧に解説してもらえた」などの意見があり、学習サポーターである学生が学習の伴走者となることで、生徒のモチベーションを上げる効果もあったという。

 今後、市教委では学生を地域の人材に置き換え、他の学校でも横展開する方針。市教委の担当者は「地域の人にサポートをお願いするとき、どこまで学習の解説ができるかが課題だが、アプリの力や声掛けなどで工夫できそうだ。横展開できるスキームを整えたい」と語った。

 プロジェクトの指揮をとる東京学芸大学の松田恵示副学長は「児童生徒の基礎学力の定着に、学校だけが取り組む形から、地域・学校・家庭が三者一体となり、同じスタンスで取り組むようになるべきだ。個人ではなく、学校も含めた社会全体が責任を持っていざなっていくものになるだろう。そして学校はこれまで以上に、学校でしか学べないことを学ぶ場になるのではないか」と呼び掛けた。

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