2030年の小学校とは? 庄子寛之教諭と二川佳祐教諭が対談

 東京都調布市立多摩川小学校の庄子寛之指導教諭と練馬区立石神井台小学校の二川佳祐主任教諭がこのほど、「2030年の小学校」をテーマにオンラインでトークセッションを開催し、GIGA端末活用の実践や児童の主体性の育み方、教師としての在り方などについて語り合った。ベネッセ教育総合研究所の小村俊平主席研究員がモデレーターを務めた。

(右上から時計回りに)庄子教諭、二川教諭、小村主席研究員

 夏休み明けにGIGA端末を活用し、家庭と学校をつなぎ双方向でオンライン授業をしたという庄子教諭は「楽しくなければ、オンラインは続かない」と強調。出席をとるときに「しりとり」を取り入れたり、児童全員の部屋を暗くして疑似キャンプファイヤーをしたりなど、児童を楽しませるアイデアを披露。校内研修でもオンラインでニューヨークやコロンビアなど海外の教員とつながり、オンライン授業に対してのアドバイスをもらったという。

 二川教諭は、コロナ禍の学校でオンラインを活用するにあたり、「授業をすることも大切だが、まず人とのつながりを保つことが重要。友達や教師とのつながりが満たされて初めて、学習に進める」と同僚らにアドバイスしたと明かした。教職員間ではグーグルミートでつながり、小まめに実践の共有をしながら、学校一丸となってGIGAスクールと向き合っている様子を紹介した。

 9年後の「2030年の小学校」でのICT活用手法について、庄子教諭は「タブレット端末は教師ありきではなく、教師が指示しなくても児童主導で使えるものにならなくてはいけない。さまざまな学習アプリを見ても、今はまだ、教師主導のものが多いように思う。教師の力量にとらわれず、学習者が学びたいから学べる環境を整えなければいけない。(GIGAスクール構想で)時代が変わるからこそ、今一度、学校のこれまでの文化をゼロにして考えるべきなのかもしれない」と語った。

 また、「学校の中に、児童生徒が選択できるシーンはあるか」というテーマについても触れた。

 二川教諭は「主体性」について、「『やらなくていい』という選択肢があるからこそ、『やる』を選んだときに主体性が生まれると思う。私たち教師は自分でも気付かないうちに、子供たちに強制してしまい、選択をさせていないのではないか」と疑問を呈した。

 庄子教諭もそれに同調し、「例えば授業を考えてみても、教師の授業の狙いが、児童の選択を狭めているのではないかと感じることがある。子供たちがどう解釈するかをよく見て、教師が子供から学ぶ姿勢を持てば、児童が自由に発言するし、自分で考えて動くようになると思う」と述べた。

 また二川教諭は、コロナ禍で自身の娘と自宅学習に臨んだエピソードに触れ、「親子という関係性だと、難しいと感じるシーンもあった。『教師対児童生徒』だからこそ成り立っているものがあると、気付くことができた。そこにいることが、教師のとてつもない役割なのではないか」と話した。

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