中高生に身近な政治課題 衆院選公約を各党議員が解説


 衆院選のスタートに当たり、中高生にも政治に関心を持ってもらおうと、日本若者協議会は10月13日、主要政党が衆院選の公約で掲げている政策を知るイベント「2021年学校模擬選挙キャンペーン」を開いた。大学の学費負担の軽減や校則問題など、中高生に関わる学校や教育の身近な課題について、各党がどのように考えているのかを各党の議員がプレゼンテーションした。参加した中高生からも活発な質問が飛び交った。

中高生にとって身近な教育に関する政治課題を解説する室橋代表理事(Zoomで取材)

 オンラインで行われたイベントには、調整がつかなかった自民党を除く、公明党、立憲民主党、日本共産党、日本維新の会、国民民主党の議員が出席した。

 公明党の安江伸夫参院議員は「小中学校のGIGAスクール構想が進み、高校も含めてタブレットの配布を推進していく。少人数学級は、まずは小学校で着実に35人学級を目指していき、中学校もしっかりやりながら、さらに小中学校で30人にまで波及させていきたい」と、政権与党としてのこれまでの実績をアピール。

 校則については「学校行事や校則などで、児童生徒をしっかり含めて意思決定していく『学校内民主主義』を推進していこうということや、学生さんを含めた若い人たちが首長や議員と直接関わる機会をもっと創出していく主権者教育の一層の推進という項目もうたっている」と、公約の中で盛り込んでいることに触れた。

 立憲民主党の小西ひろゆき参院議員は「いろんな政策がある中で、自分で自分を守ることができない、そしてこれからの社会を背負っていただく若い人たちのための政策をチルドレンファーストとして掲げている」と、同党の公約の特徴を説明。大学の授業料を半額にする政策などを紹介した。

 校則に関しては「校長先生が作っている校則には法律の根拠がない。法律の根拠がないのに校長先生がある意味自由裁量で校則を作れることになっているので、これはもう、われわれが政権を取ったら変える。学校教育法に法律を位置付けて、必ず学校の子どもたちの意見を聞いて校則を作らないといけない、人権を守る校則にしないといけないということをやっていく」と強調した。

 日本共産党の山添拓参院議員は「特に訴えたいのは、痴漢をゼロにするということだ。痴漢ゼロを政治の重要課題に引き上げていきたい。痴漢は小さいころから繰り返し、電車の中でも路上でも、あるいは職場でも被害に遭う。そういう状況をなくしていくために、痴漢ゼロを政治の課題に位置付けて取り組んでいきたい」と訴えた。

 校則では「下着の色は白、ツーブロック禁止ということに、これはおかしいという声が上がっている。『ルールだから守れ』という校則の在り方ではなくて、児童生徒の表現や基本的人権の角度から捉え直していくことが求められている」と指摘し、教職員や子ども、保護者で校則を話し合うことを提案した。

 日本維新の会の音喜多駿参院議員は「機会の平等は極めて重要。自分たちの意思で競争しようとしても、最初から不平等があれば一生勝てない。だから、機会の平等を担保するために教育は何より重要な第一歩だ。教育の無償化を最初に言い出した政党は、実は日本維新の会だ」と、日本維新の会のスタンスを解説した。

 その上で、地盤でもある大阪府や大阪市が取り組んできた教育政策として、所得制限があるものの教育の無償化を実現し、学習塾などの教育関係の費用として使える毎月1万円のクーポン券を配布する教育バウチャーについて紹介。「私たちは皆さんの自由意思を尊重して、教育をよくしていきたいと考えている」と呼び掛けた。

 国民民主党からは、副代表を務める伊藤孝恵参院議員が出席。「私たちは皆さんが18歳になったら、衆議院議員に立候補できるようにしたいと思っている。高校生代議士や、大学生と衆議院議員の両立を実現したい」と述べ、「18歳被選挙権」を提案した。

 また、自身が取り組んできた生理の貧困問題についても触れ、「子宮がある人が家族にいれば、職場にいれば、友達にいれば、好きな人にいれば、みんなの生理であることをこれからも一生懸命話していきたい。それから、ヤングケアラーについても、ようやく政府が重い腰を上げて可視化してくれた。ヤングケアラーや生理の政策は、政府の骨太の方針にも今回はっきりと書かれたので、政策は進んでいくと思う」と話した。

 後半の質疑応答では、参加者からは、増加している不登校への対策や学費の支援をする際の財源確保の問題、若者と政治の距離を近づける取り組みなどの質問が寄せられ、各党の議員がそれぞれの考えを答えた。

 日本若者協議会の室橋祐貴代表理事は「選挙で校則や不登校の問題など、学生向けの政策に絞って議論することはほとんどない。校則や不登校は議論されない。ターゲットを絞ったからこその政策議論ができた」と手応えを感じていた。

 イベントの様子は同協議会の公式YouTubeチャンネルで視聴することができる。合わせて10月17日まで中高生を対象とした模擬投票も受け付けており、同18日には投票結果を公表する予定。

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